ブロックチェーンには様々な種類があり、ブロックチェーンに参加者するユーザーによりパブリックブロックチェーンとプライベートブロックチェーンに大別される。後者は企業のコンソーシアムにおける利用が始まりつつあるが、前者のユースケースはまだまだ模索段階だ。

QURAS(キュラス)は、前者のブロックチェーンだ。プライバシーやプロジェクト持続性にフォーカスすることによりブロックチェーンの応用範囲を広げようとしている。

 

パブリックブロックチェーンにおける深刻なプライバシー問題

 

ブロックチェーンの社会実装に必要な機能がスマートコントラクトだ。スマートコントラクトがあることでアプリケーションを動かすことができ、ブロックチェーンの応用ができるようになるからだ。現状のスマートコントラクトが利用できるパブリックブロックチェーンは、透明性が高く、ブロックチェーンの良さとして語られることが多い。しかし、これがマイナスとなることがある。

例えば、現状のブロックチェーンではスマートコントラクトのコードが第三者に閲覧可能になっている。そのため、自分たちのノウハウを盛り込んだコードをスマートコントラクトに載せることは難しくなる。また、ブロックチェーン上のすべての取引は透明性が確保されるために、最悪の場合に追跡され、内容を特定されるリスクが存在する。これは明日の脅威ではなく、今日の脅威だ。

そもそも、ビジネスに限らず人間には誰しも知られたくないという本能的欲求が存在している。そのような欲求を一切満たすことができないブロックチェーンは、取引手段として必ずしも心地よいものではない。ブロックチェーンにもプライバシーは必要である。実際に、ブロックチェーン関連のニュースではプライバシーのトピックが増えており、関心度が高いテーマとなっている。

 

QURAS(キュラス)によるプライバシーの取り組み

 

QURAS(キュラス)は、早くからプライバシーの問題に対処してきたパブリックブロックチェーンだ。2019年9月現在、テストネットフェーズにあり、2020年第1四半期にメインネット稼働を目指している。

QURASでは、QURAS Protocol(キュラスプロトコル)により、ブロックチェーンのエコシステムに関わる参加者のプライバシーを保護する。これにより、スマートコントラクトのコードを当事者のみで閲覧できるようになり、コインやQURASブロックチェーン上で発行したトークン、スマートコントラクトのトランザクションで機密性が確保できるようになる。万が一、それらの監査が必要になった場合は、表示用のキーを使うことで内容を照会できる仕組みを用意する。

これらを実現するのは、ゼロ知識証明(zk-SNARKs)やリング署名(Ring Signature)といったプライバシー技術だ。ゼロ知識証明は、高い秘匿性を確保でき、データのシールドをすることに向いている一方で、モジュールが重く頻繁なトランザクションには向いていない。リング署名は、モジュールが軽く、複数名で構成されるグループ単位の取引に向いている。これらの技術を使い分けられるようにすることで、QURASでは利用者の幅広いプライバシー保護のニーズを取り込んでいく。

QURASでは、プライバシー保護が得意であることから、プライバシーにシビアで改ざんが許されない要件が求められる分野にブロックチェーンを応用できるようになると見込んでいる。例えば、分散型金融(DeFi)や医療、エンターテイメントだ。特に医療分野では、韓国の美容整形業界が興味を示しており、患者のコンプレックスを取り扱うというプライバシーへの対応はQURAS向きではないかと見られているという。

このように、QURASではブロックチェーンの社会実装を見据え、利用者のプライバシーを保護することにフォーカスしているのである。

 

QURASについて

・QURAS公式サイト:https://quras.io/en/

・QURAS公式Twitter(英語):https://twitter.com/qurasofficial

・QURAS公式Twitter(日本語):https://twitter.com/qurasofficialjp

・QURAS公式Telegram(英語):https://t.me/QurasOfficialGroup

・QURAS公式Telegram(日本語):https://t.me/QurasOfficialCH_JPN