シンガポールに本社を置くフェメックス (Phemex)は、仮想通貨やデリバティブ取引のシステムを提供する企業だ。同社は、10月13日〜14日にアラブ首長国連邦のドバイで開催されたワールド・ブロックチェーン・サミットに参加した。

政府や企業を代表するシニアエキスパートが500人以上会する同イベントは、参加者らにとって次のような機会となる:

  • 最大級の仮想通貨企業やブロックチェーン企業と連携する
  • 志を同じくする人々や、オピニオンリーダー、中東および南アフリカ地域の重要投資家と出会う
  • スキルを磨き、業界のトレンドに関する最新情報を得る

フェメックス (Phemex)の共同創設者であり、CEOを務めるジャック・タオ(Jack Tao)氏は、サミットの登壇者の一人。ウォール街の重役を務めたベテラン集団が立ち上げたフェメックス (Phemex)を代表し参加した。

意外なことに、伝統的な金融業界に経歴を持つタオ氏は、自身の発言の中で、現行の銀行システムには特権階級ばかりが得をする欠陥や歪みがあると認めた。タオ氏らチームは、初めに様々な仮想通貨取引所への投資を行い、そこから仮想通貨業界に求められるシステムに気がついた。つまり、よりプロフェッショナルで、安全で、顧客サービスが充実したシステムだ。これが2019年のフェメックス (Phemex)創設につながった。CoinMarketCapでは、フェメックス (Phemex)をデリバティブ取引における世界トップ10仮想通貨取引所として紹介している。

タオ氏は、フェメックス (Phemex)が第一に目指すのは「顧客志向アプローチに基づき、プロ品質で透明性のある仮想通貨取引システムを提供すること」だと強調した。フェメックス (Phemex)は、リスクの適切な管理にふさわしい機能一式を提供しユーザーに力を与える。

ジャック・タオ氏が語る「メタバース」

タオ氏はさらに、仮想通貨世界における爆発的トレンド「メタバース」についての考えを述べた。巨大な仮想空間であるメタバースは、今も構築が続き、刻々と変化している。しかしメタバースはすでに、業界の内部事情に通じた人たちの間に大きな議論を巻き起こしている。

タオ氏はメタバースに膨大な可能性を見出している。仮想通貨の台頭にあわせて、ここ数年でメタバースの人気が高まったと説明し、「メタバースは、われわれがデジタル世界と交流する新たな方法をもたらす。現在のインターネット以上に没入感があり、破壊的な方法になるだろう。具体的にどのような方法かは誰にもわからないが、まさにそれが意図するところだ。メタバースは全ての参加者により作られるものであり、中央の権力者が作るものではないのだから。」

発展途上のメタバースにとって鍵となるのが、NFT(非代替性トークン)だ。NFTもまた、最新のプロジェクトやコミュニティの波によって大成長を遂げた。

NFTのユースケースは、今のところ全体の表面をかすったに過ぎない。タオ氏は次のように述べた:

「今年、我々はNFT市場における大規模な上昇や下落、再上昇を目の当たりにした。そこで見えたNFT定着の兆候とは、ごく少数のNFTが何百ドルも売れたということではない。何万銘柄というNFTが、それぞれ見合った金額の売り上げを達成したのだ。つまり、デジタル資産は仮想通貨市場における「クジラ」の遊び場ではなく、広大な領域に普及している最中なのだ。」

フェメックス (Phemex)のCEOであるタオ氏は、デジタル領域は、長期的に見ると多岐にわたる機会をもたらすと予測した。「例えばフェイスブックやEpic Gamesなど、これまで仮想通貨業界以外で強い力を持ってきた企業が、仮想現実やクラウドゲームなど、メタバース関連の要素に巨額の投資を始めている。」

Phemexのメタバース参入

フェメックス (Phemex)は初の仮想通貨取引所として誕生し、一流のシステムを提供している。同社はNFTプラットフォームではないが、メタバース関連の機会を追求している。

今年3月、フェメックス (Phemex)はNFTを中心に据えたコミュニティ主導イベントを開催した。そこでは参加者らが、フェメックス (Phemex)上のイーサリアム預け入れURLを示すQRコードを持ち寄り、壁画を制作した。イベントには1000人を超すユーザーが参加し、集まったNFTが取引所で売却されると、参加者一人ひとりに資金が分配された。

Phemexはコイン上場にも注視している。二つ例を挙げよう:

  • AXSは、アクシー・インフィニティ(Axie Infinity)のガバナンストークン。現在、同プロジェクトは「GameFi」のコンセプト体現において抜きんでた存在だ。
  • MANAは仮想世界「Decentraland」のネイティブトークン。ここでは参加者が、デジタル不動産の価値を示すNFTを購入、保有、操作することができる。

これらのトークンを場することで、フェメックス (Phemex)は「GameFi」モデルの未来に対する自信を示し、顧客自身がGameFiについてリサーチしたり参加したりすることを促す。

重要な事実は、フェメックス (Phemex)は顧客を低品質なプロトコルから守るため、非常に真摯な態度でコイン上場を行っているということだ。フェメックス (Phemex)のチームはプロジェクトを審査する際、メタバースのようなメガトレンドを利用する場合と同じ評価方法を用いる。

同社は今後もメタバースの拡大に向けたサポートや貢献継続する。ジャック・タオ氏は「仮想通貨の世界に新たな参加者が踏み入れる際の重要な玄関口になるだろう」と強調した。