チューリッヒ(スイス)2022年2月17日 - ステーブルコインと仮想通貨のレンディング(貸付)とボローイング(借入)を機関投資家向けに仲介するCLST Marketsは、17日同社初となるステーブルコインの無担保レンディングの仲介を成約させた。同取引はAmber Groupによる数百万米ドルの期限付き借入で、アルゴランドブロックチェーンにより発行されたステーブルコインにおいて世界初の電子手形取引となった。
スイスを拠点とするフィンテック企業CLSTは、Amber Groupと非公開取引先との間で取引を仲介した。 原資産は、アルゴランドブロックチェーン(一般にはUSDCaと呼称)で発行されたUSDCステーブルコインで、電子手形(eNote™)によりP2Pで成約した。eNote™は、CLSTにシームレスに統合されたFQXによって提供されるテクノロジーである。数百万米ドルのUSDCステーブルコインの借入れは、Amber Groupが期限付きで借入れたもので、契約期間は1年未満となっている。
eNote™は、約束の期日に定められた金額を相手方に支払うことを約束する電子手形であり、資金調達の目的に合うようにモジュール的に組み合わせることができる。 eNote™はブロックチェーン技術を用いて、第三者(投資家)に簡単に譲渡できる。他の資金調達ツールと比較した場合、eNotes™は法律を遵守しながらも、モジュール性とグローバルな譲渡性に優れる。eNote™は、ブロックチェーン上にNFTとして保存される。複数のeNote™を発行して組み合わせることにより、発行者はコマーシャルペーパーに相当する方法で資金を調達することができる。
取引条件が無担保なのは、過剰担保の問題解消をねらったもの。機関投資家にとっては、仮想通貨レンディングにおける重要なマイルストーンとなるだろう。これまで借り手は、仮想通貨の価格変動リスクを軽減するため、借入れ価額を超える担保を定期的に差し入れることを強制されてきた。この問題は、仮想通貨業界におけるレンディングとボローイングの発展の妨げとなっている。
貸倒れリスクを管理可能なレベルに保ったうえで、過剰担保の問題を克服することで、TradFiとDeFiブームが去ったあとの短期債権市場においても、金融機関は最大限の成長性を引き出すことが期待できる。
カウンターパーティリスクは、電子手形という革新的な技術の活用により軽減される。これは、貸付の貸倒れが発生した場合に、国際的に強制力のある法的保護を貸し手に提供するための試みである。
貸付と借入における「格付けインフラストラクチャ」の欠如
CLSTの創設者兼CEOであるミカエル・グジック氏(Michael Guzik)の発言:
「現在、ステーブルコインと仮想通貨の機関投資家向け短期債権市場は、カウンターパーティとDeFiプロトコルのリスクを軽減するための本格的なインフラストラクチャを欠いてるため、十分なサービスを提供できていない。われわれは、すべての金融機関を接続するというビジョンを持っている」
Amber Groupのヨーロッパ担当MDであるフランシスコ・アディリベルティ氏(Francesco Adiliberti)の発言:
「Amber Groupは、デジタル資産プラットフォームの業界リーダーとして、クライアントが流動性にアクセスし、利益を獲得し、仮想通貨ポートフォリオ全体のリスクを管理するのを支援してきた。設立当初からグローバルな歴史を持つプラットフォームとして、貸し手と借り手の広範なネットワークへのアクセスは、Amberの取引に不可欠といえる。ミカエルが率いるチームは、CLSTの取引フローの集約を通じて、無担保の貸し借りの効率化に取り組んでいる。仮想通貨の新しい未来の始まりに、グローバルネットワークの一端を担えて変光栄だ」
CLSTについて
CLSTは、ステーブルコインと仮想資産を貸付または借入するための機関投資家向けコミュニケーションプレイスである。機関投資家向けに、マルチディーラー価格ネゴシエーションと価格マッチングを自動化する。 CLST Marketsは、Request-for Quote(RFQ)、Fixed Term、Call Money、機関投資家向けDeFiプロトコル、ブロックチェーンベースの電子手形、自動決済のためのウォレット接続など、次世代製品を高いレベルで統合する。 CLSTは、ステーブルコインと仮想通貨の貸付と借入における、市場の不確実性とスケーリングの問題を解決することを目的としている。
詳細について:www.clst.com
*免責事項:CLSTの貸付および借入機能、およびステーブルコインと仮想通貨に関する金融商品は、米国ではまだ利用できない。
Amber Groupについて
Amber Groupは、アジア、ヨーロッパ、アメリカを拠点とし、グローバルに稼働する大手デジタルアセットプラットフォームであり、投資、融資、取引において多岐に渡るデジタルアセットサービスを提供する。Paradigm、Dragonfly、Pantera、Polychain、SequoiaやTiger Globalなどの著名な投資家から資金を調達している。
詳細について: www.ambergroup.io
FQXについて
FQXは、スイスのチューリッヒに本社を置く、新興のグローバル企業である。 FQXは、ブロックチェーンの技術を利用して、未来の金融に向けたグローバルな債権インフラストラクチャを構築しようとしている。 FQXはヨーロッパとアジアで20人以上のスタッフを雇用。 FQXは2021年にスイスとドイツの両国でフィンテック賞を受賞したことで注目を集めた。 FQXはSIX Fintech VenturesやEarly bird VCなどの有力なフィンテック機関投資家から出資を受けている。
詳細については:enotes.tech
メディア窓口
Stella Wang : pr@ambergroup.io
Alex von Mühlenen: alex.vm@clst.com
Jörg Röthlisberger : info@glt-communications.ch