米証券取引委員会(SEC)のXRPに関する訴訟を受けて、XRP価格が急落している。仮想通貨取引所コインベース上で0.5695ドルから0.4491ドルへと2日間で21%下落した。

リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOはフォーチュン誌の記事を引用し、訴訟について「仮想通貨を攻撃している」と非難。まもなく任期を終えるSECトップのジェイ・クレイトン委員長に対し「米国での技術革新をビットコインとイーサリアムに限定しようとしている」と述べた。

一方で仮想通貨トレーダーはXRPの次の動きについて意見を交わしている。一部ではリップルの証券論争はこれまで長きにわたって言われたいたもののため、価格への影響はこれ以上大きくはならずに上昇に転じると予想する声や、現在のレベルを維持し続けることになると指摘する声がある。

 

(出典:トレーディングビュー「XRP1時間足チャート」)

XRPの上場廃止もありうる?

SECによるリップル訴訟の論点の一つはブロック・ワン(Block.one)との違いだ。

SECは2019年、未登録のICOを行なったとして、仮想通貨EOSの開発企業ブロック・ワンに2400万ドルの罰金を科した。ブロック・ワンは罰金を支払い、SECと和解している。

仮想通貨業界で活躍する米弁護士のジェイク・チャービンスキー氏は次のように述べている

「EOSの訴訟はイーサリアム上のEOS ERC-20トークンを扱っただけで、EOSブロックチェーン上のネイティブトークンを証券として扱ったものではない。ブロック・ワンは戦うよりも和解を選び、その時にはERC-20トークンは取引されていなかった。SECは今回取引されているトークンが証券であると主張している」

チャービンスキー氏はさらに訴訟が続く間は仮想通貨取引所でのXRPの上場廃止もあり得ると言及。「多くの弁護士が、緊急の呼び出しを受けているだろう」と話した。

訴訟による価格影響はない?

ビットコイン価格の上昇に連れて、XRP価格は11月から上昇し、複数年のレジスタンスを破った。

コインテレグラフ寄稿する仮想通貨アナリストのマイケル・ファン・デ・ポッペ氏は大きな上昇の後に重要な下落が発生する可能性が高いと発言。さらに一部トレーダーがXRP訴訟は価格に影響を及ぼさないとする主張を紹介した。

「XRPは、一貫してロウアー・ハイを作りながら、3回目の0.45ドルレンジをテストしている。更なる調整を探しているようだ。このようなインパルス波動の後にはボラティリティが低くなり、調整されるのは非常に自然なことだ。」

しかし、一部のトレーダーは、この反落の後、XRP価格は固まる可能性があり、訴訟は "無意味だ"と主張しているという。

一方で、SECによってXRPに対するセンチメントが悪化し、価格を押し下げるという声も出ている

(出典:ザ・タイ「7日間のXRP価格センチメント」)

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン