7月24日のローンチ以降、ユーザーがデジタルIDのために虹彩をスキャンする列をなしている一方で、データ収集方法に疑問を投げかける者もいるなど、ワールドコインが大きな注目を集めている。
このプロジェクトは、ユーザーに虹彩スキャンによるデジタルIDを提供し、オンラインでの即時認証、そして将来的にはユニバーサルベーシックインカム(UBI)に利用できるという前提で構築されている。
まだ初期段階ではあるが、すでに同社はAuth0と統合し、数千のクライアントがワールドIDを介してサインインする能力を提供している。
ツールズ・フォー・ヒューマニティ(ワールドコインを運営する企業)のプロダクトヘッドであるティアゴ・サダ氏は、コインテレグラフとのインタビューで、このような統合が今後数ヶ月間で加速するだろうと語った。
サダ氏によれば、ローンチ以来、開発者が利用できるようにソフトウェア開発キット(SDK)を公開しており、ディスコードとも統合した。「今年の下半期、つまり今後数週間から数ヶ月間で、企業がこれらの統合を設定するのを支援するため、より多くの時間を費やすことになると予想している」とサダ氏は語った。
先週のロイターの報道によれば、ワールドコインは、政府や企業でもソフトウェアを利用できるようにサービスを拡大する計画であるという。サダ氏はコインテレグラフに対し、ゼロ知識証明を基盤としたオープンなIDプロトコルであるため、誰でもそれを選択して使用し、プロトコルの同じルールに従うと説明した。
これには政府も含まれることになる。同氏は、ID認証で二重使用や偽造といった問題を政府機関も抱えていると指摘する。「私たちはパスポートや運転免許証を置き換えようとはしていない」と彼は明確にした。「これはそれに加えて使用できるものだ」。
「過去数ヶ月間、政府からプロトコルがどのように機能するかについて問い合わせがあったが、現時点で発表する具体的な統合はない」とサダ氏は語った。一
方で、一部の政府はプライバシーとデータ収集に関する懸念から公然とワールドコインを調査している。ドイツ政府のデータ監視機関は、公式ローンチ前の2022年11月にワールドコインに対する調査を開始した。
サダ氏はまた、歴史的に「ボット耐性」のあるアプリケーションを構築することは常に困難であったと指摘した。人工知能(AI)の時代が到来したことで、それは解決することがより難しくなっているが、その重要性は増している。
「世界がワールドコインのようなものを必要とし、今後数年間で必要とすることは明らかだ。私たちはそれがプライバシーを保護する分散型、オープンソース、パーミッションレスな方法で実現することを願っている」とサダ氏は語った。
AIツールとアプリケーションへの関心とアクセシビリティの爆発的な増加は、既にフェイクニュースとディープフェイクの増加についての懸念を引き起こしている。
最近では7月3日にはAIが生成したフェイクニュースが流通し、米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長の辞任の噂を引き起こした。
すでに、ワールドコインは少なくとも1500の虹彩スキャン装置「オーブ」をロンドン、パリ、ドバイなどの主要都市を含む世界中の物理的な場所にデプロイし、直接のスキャンとサインアップを行っている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン