テスラ社が8日に巨額のビットコインを購入し、将来的に仮想通貨決済の導入を計画しているとの発表を受けて、業界内では、次は米アップルがビットコインを購入するのではないかと噂されている。

カナダ・ロイヤル・ドミニオン証券でアナリストを務めるポール・スティーブズ氏が発表した市場レポートでは、アップルが仮想通貨に参入することで年間で400億ドル以上の収入を生み出し、業界全体に大きな影響を与える可能性があると指摘されている。

この仮説は2020年第3四半期にビットコインで16億ドル以上の収益を得た大手決済会社スクエアの事例に基づいている。スクエア社の月間アクティブユーザー(MAU)は3000万人。一方のアップルは1月時点でMacやiPhoneを含むすべてのデバイスの稼働台数は16億5000万台であると報告されている。スクエア社のMAUはアップルに比べると数十分の1に過ぎない。

スティーブズ氏は「もし(アップルが)仮想通貨取引所の事業に参入すると決めた場合、すぐに市場シェアを獲得し、業界を混乱させるだろう。」と指摘した。

8日夜にテスラ社はバランスシートの一部をビットコインに割り当て、テスラ車購入のためにビットコイン決済を導入することを発表した。これによって、仮想通貨コミュニティでは次はアップルが参入するのではないかと期待されている。

2020年11月にはトロソ・インベストメントのポートフォリオマネジャーであるダン・ウェイスコップ氏は、アップルが100億ドル〜200億ドルをビットコインに投資することは同社が株を買い戻すよりも、長期的には収益性が高いと指摘した。

アップルは2.2兆ドルの時価総額を持つ世界でトップの企業だ。200億ドルの現金を持っており、すべて流通するビットコインの25%を買い占めることが可能となっている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン