仮想通貨(暗号資産)ビットコイン(BTC)価格は数週間の間、レンジ内の値動きとなっている。しかしトレーダーたちは一般的にビットコインの第4四半期の値動きは鈍いことを指摘している。

Bitcoin quarterly returns (%). Source: Skew.com

(出典:Skew「ビットコインの四半期ごとのリターン」)

2018年と2019年の第4四半期はマイナスとなっており、市場に弱気のセンチメントが流れていた。短期的には第4四半期にビットコイン価格がさらに下落することで、アルトコイン価格も連れ安となるかもしれない。

現時点では複数のテクニカルアナリストがビットコインのドミナンス(市場占有率)の反発を予想しており、アルトコイン市場の下落を警告している。

アルトコインにとって最悪の事態は過ぎたか?

既報の通り、過去2週間でほとんどの小規模なアルトコインと分散型金融(DeFi)トークンが30〜60%ほど下落した。

9月9日から9月19日にかけてビットコインが9981ドルから11179ドルに急騰したことで利確が起き、アルトコインの下落が助長された。アナリストは、アルトコインとDeFiからの利益がビットコインとステーブルコインに流れたと考えている。

こうしたビットコインが上昇トレンドとなった一方で、DeFiトークンは下落し、アルトコインも落ち込んだ。

アルトコインの売りは、ビットコインが11100ドルの重要なレジスタンスラインで拒否されたことで起きている。過去15日間でビットコインは6%近く下落した。

BTC/USDT daily chart. Source: TradingView.com

(出典:トレーディングビュー「BTC/USDTの日足チャート」)

コインテレグラフに寄稿するマイケル・ファン・デ・ポッペ氏によると、現在の下落はすぐには終わりそうにないという。

デ・ポッペ氏はツイートの中で、下記のようなチャートを投稿。仮想通貨市場は通常、第4四半期に「退屈と調整」のフェーズになるという。同氏によると、歴史的にイーサ(ETH)は12月に底値となり、次の四半期で動き始めるという。

BTC/USDT daily chart. Source: TradingView.com

(出典:トレーディングビュー「BTC/USDTの日足チャート」)

デ・ポッペ氏は「2021年第1四半期にアルトコインの季節を迎えるために、ビットコインのドミナンスは上昇するだろう」と指摘した。

「Loma」として知られる偽名のトレーダーは、デ・ポッペ氏と同様の予想をしている。前回アルトコインがこれほどまでに急落した際にビットコインは短期的に大きな下落を見せたという。

今回はビットコインとイーサがサポートラインを維持して安定している一方で、そのほかのアルトコインは下落している。

「ビットコインがかろうじて動いている間、アルトコインは今下落している。前回はビットコインは下向きのローソク足となっていた。」

リリーフラリーの可能性は?

10月に入ってから、仮想通貨市場は投資家のセンチメントを押し下げるようなネガティブなイベントが数多くあった。

9月には仮想通貨取引所KuCoinで大規模なハッキングが起きた。ビットコインはこのニュースに反応しなかったが、強気のモメンタムを妨げた可能性がある。さらに10月には米商品先物取引委員会(CFTC)が100倍レバレッジで有名な仮想通貨取引所ビットメックスを銀行秘密保護法違反で告発した。

その直後にはトランプ大統領が新型コロナウイルスに陽性反応が出たことが明らかになり、伝統市場とともに、仮想通貨市場も下落した。

こうした大規模イベントを受けて、今後ボラティリティの増加が予想されており、一部のトレーダーはショートスクイーズの可能性を指摘している。

Byzantine Generalとして知られる仮想通貨トレーダーは、「今仮想通貨市場ではすべての不確実性が進行しているため、すべての弱気を置き去りにする完璧な瞬間だ。ところでステーブルコイン供給比率は歴史的に低水準で、サイドラインに多くの手元資金があることを示している」と話した

全体として、トレーダーはビットコインとアルトコインに低調な第4四半期になると予想しているが、9月の激しい売りによって、最終的に上昇につながる可能性が指摘されている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン