カタール投資庁(QIA)がビットコイン(BTC)を大量購入するという噂がソーシャルメディア上で浮上しているが、現地の金融関係者はそれが実現する可能性は低いと語る。

ビットコイン支持者たちの間で過去数週間にわたりX(旧ツイッター)で拡散していた憶測によれば、カタールの政府系ファンドが間もなく5000億ドル分のビットコインをポートフォリオに追加する可能性があるとされていた。

しかし、現地の投資企業コーンキャピタルの幹部シャディ・キシュタ氏によると、カタール投資庁の資本が仮想通貨に流入する可能性は低い。デジタル資産はQIAの戦略には含まれていないという。

「QIAは多様な投資戦略を持ち、リスクを軽減し、さまざまな市場や産業で機会を捉えるために、様々な資産クラス、セクター、地域にわたって投資を行っているが、近い将来、何らかの形でそれが起こるとは思えない」とキシュタ氏はのべた。

QIAはカタールの政府系ファンドだ。QIAの投資戦略はその理事会と経済投資最高評議会(SCEAI)によって承認されなければならず、ポートフォリオの配分の見直しは両機関を通過することになる。

またビットコインに投資するという憶測は、QIAのCEOであるマンスール・ビン・エブラヒム・アル・マフムード氏の以前の発言でも否定されている。

「私たちのテクノロジー部門のチームは、ブロックチェーンの機会を探っている。私たちが興味を持っているのは、通貨自体ではなく、この分野である」と彼は2022年のカタール経済フォーラムで語っている。さらに、2月のカタールウェブサミットの開会式でも仮想通貨についての言及はなかった

「仮想通貨投資については明確に言及されなかった」とキシュタ氏は付け加え、アブダビがデジタル資産を含まない1000億ドルの技術イノベーションと人工知能(AI)への投資を発表したことも指摘した。

カタールは天然ガスと石油の膨大な埋蔵量により、世界でも最も裕福な国の1つである。国際通貨基金(IMF)は、同国が2025年までに年間約2%の経済成長すると予想している。

しかし、仮想通貨に対する同国のアプローチは制限されたままだ。キシュタ氏によれば、地元のデジタル資産環境は依然として慎重な規制監督が特徴であり、2018年に仮想通貨取引が禁止されて以来、一般市民の間での採用は限定的だ。

「仮想通貨の世界的な人気にもかかわらず、カタールでの採用は一般市民の間では比較的低い。これには規制の不確実性、文化的規範、そしてドバイで起こったような伝統的な銀行業務や投資方法への傾向が寄与している」とキシュタ氏は語った。