ビットコインを作ったといわれるサトシ・ナカモト(匿名)の身元や所在は謎に包まれているが、同氏が所有するといわれている100万枚のビットコインを放出すると、市場は崩壊するかもしれない。米ジョンズ・ホプキンズ大学教授マット・グリーン氏が指摘した。

ビットコインの総量は2100万コインが上限で、2140年までにすべてのコインの採掘が終わる見込み。

サトシ・ナカモトが所有するといわれているビットコインの数は、このうち5%を占める。

同教授によると、「ビットコインの大量保有者は、いつでも市場に大きな影響を与える力をもつ。(子供が好んで収集する)野球カードのようなものだと思ってみてほしい。これは数が希少だから値打ちがつく。そこで誰かが大量のレアカードを市場に放出したら、その価値は失われる」。

同様に、もしサトシ・ナカモトが保有するコインを全部売るとすれば、ビットコイン価格は暴落するだろう。

一人の男が市場をねじまげられる現実

サトシ・ナカモトは「眠れる巨人」であり、ビットコインの未来については大きな鍵を握っていることは確かだ。

サンフランシスコ在住のビットコイン投資家によると、

ビットコインがグローバルな通貨になるとすれば、サトシ・ナカモトは世界で一番の金持ちになることになる。また、黄金の供給量のうち米国政府が占める割合以上に、ナカモトはビットコインの供給量の大きなシェアを握っている。

米国政府が有する黄金は世界中の供給量のうち4%といわれる一方で、サトシ・ナカモトは、ビットコインの総供給量の5%を握っている。

今は「死火山」であるかもしれないが、サトシ・ナカモトはビットコインにとって未だに非常に重要な位置づけにあるのだ。