ビットコイン(BTC)はこの1カ月で最大の下落に見舞われ、金曜日に年初来安値となる5万9930ドルまで下落した。2025年10月に付けた約12万6200ドルの史上最高値からは、すでに50%以上の下落となる。

香港ヘッジファンドが発端か
今回のビットコイン急落を巡る有力説の1つは、アジア発だったというものだ。香港の一部ヘッジファンドが、ビットコイン価格は上昇を続けるとして、大規模かつ高レバレッジの取引を行っていたとされる。
ナスダック上場のDeFi デベロップメント(DFDV)のCOO兼CIOであるパーカー・ホワイト氏によれば、これらのファンドは、低金利の日本円を借り入れて原資とし、ブラックロックのIBITなど、ビットコイン上場投資信託(ETF)に連動したオプションを利用していたという。
これらのファンドは、借りてきた日本円を他通貨に交換し、仮想通貨のようなリスク資産に投資することで、価格上昇を狙う戦略だったとみられる。
しかし、ビットコイン価格が伸び悩み、円の借入コストが上昇すると、これらのレバレッジ取引は急速に悪化。貸し手から追加の資金拠出を求められ、ファンドはビットコインや他の資産を短期間で売却せざるを得なくなり、下落に拍車をかけた。
モルガン・スタンレーが売りを誘発?
もう1つ注目を集めているのが、ビットメックス元CEOのアーサー・ヘイズ氏によるものだ。
同氏は、モルガン・スタンレーを含む銀行が、ブラックロックのIBITのような現物ビットコインETFに連動する仕組み商品へのエクスポージャーをヘッジするため、ビットコイン(または関連資産)の売却を余儀なくされた可能性を指摘した。

これらの仕組み商品は、顧客に対してビットコイン価格に連動したリターンを提供するもので、元本保護や特定のバリア条件が組み込まれていることが多い。
ビットコイン価格が急落し、モルガン・スタンレーのある商品で想定されていた7万8700ドル前後といった重要水準を割り込むと、ディーラーはデルタヘッジとして現物ビットコインや先物を売却する必要が生じる。
この過程で「ネガティブ・ガンマ」が発生し、価格が下がるほどヘッジ売りが加速する。結果として、銀行は流動性供給者から強制的な売り手へと転じ、相場の下落を一段と深刻化させたという。
マイナーのAI転換も下落要因か
やや影響は小さいものの、「マイニング撤退」が下落を後押ししたとの見方も出ている。
アナリストのジャッジ・ギブソン氏は土曜日のX投稿で、AI向けデータセンター需要の拡大が、ビットコインマイナーの事業転換を促しており、その結果ハッシュレートが10〜40%低下していると指摘した。

2025年12月には、マイナー大手のライオット・プラットフォームズが、データセンター事業に軸足を移すと発表し、同時に1億6100万ドル相当のビットコインを売却した。先週には、別のマイナーであるIRENもAIデータセンターへの転換を公表している。
さらに、ハッシュリボン指標も警戒シグナルを点灯させた。30日移動平均のハッシュレートが60日平均を下回る「ネガティブ反転」が確認され、これは過去にマイナーの収益悪化と投げ売りリスクを示してきた。

土曜日時点で、ビットコイン1枚を採掘する平均電力コストは約5万8160ドル、総生産コストは約7万2700ドルと推定されている。
ビットコイン価格が再び6万ドルを下回れば、マイナーは本格的な財務的圧迫に直面する可能性がある。

長期保有者の動きにも変化が見られる。データによると、10〜1万BTCを保有するウォレットが占める供給割合は9カ月ぶりの低水準となっており、この層が積極的に買い増すのではなく、持ち高を減らしていることを示唆している。
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