クジラと呼ばれる仮想通貨の大口投資家はボラティリティ(価格の変動幅)の原因ではないという調査結果を仮想通貨追跡ツールを提供するチェイナリシスが発表した。クジラは短期間で相場が動く時によく引き合いに出されるが、今回の調査はその解釈の仕方が必ずしも正しくないということを明らかにした。

チェイナリシスは、大口投資家が所有する32のウォレットを「徹底的に」調査。32のウォレットの総額は約100万ビットコイン(BTC)で63億ドル(約7000億円)に相当するそうだ。チェイナリシスは、大方の解釈に反してこれらのウォレットがボラティリティの要因ではなく、むしろボラティリティを鎮める役割をしていると指摘した。

「我々のデータによるとビットコインのクジラは多様なグループで、わずか3分の1がトレーダーとして活動している。こうしたトレーダーが価格を動かすのに十分な規模である一方、彼らは総じて群れに反してトレードしていて、価格が下がったときに買っている

 

ビットコインを大量保有しているウォレット

(引用元:Chainalysis 「総額100万ビットコインを保有する最も裕福なウォレットの内訳(仮想通貨取引所では保管されていない)」)

今年の夏にビットコイン価格が15%下落した際、クジラが5万ビットコイン以上を1ヶ月の内に売ったことが上げられるという報道があった。しかしチェイナリシスは、今回の我々の調査でこうした心配が過剰なものだったことが分かったと伝えている。