米サンフランシスコに拠点とする大手銀行のウェルスファーゴは、ビットコインを2020年の最高のパフォーマンスを示した資産とするレポートを発表した。これまで仮想通貨に否定的な態度で知られる同行だが、徐々に態度が変わってきているのかもしれない。一方でレポートではビットコインは投機的だとして、投資家に高いボラティリティを警告している。
8日に発表された投資戦略レポートの中で、ビットコインは今年170%上昇し、金と米株価指数S&P500の両方を凌駕していると指摘。しかし「仮想通貨は多くの注目を集めているが、必ずしも多くの投資資金が投入されている訳ではない」とし、現在の金融市場での仮想通貨の役割を依然過小評価しているようだ。
「現在の仮想通貨への投資は、投資よりも投機が多かった1850年のゴールドラッシュの初期の頃に似ている」
ウェルスファーゴは仮想通貨について「いつか」投資する価値がある日がくるかもしれないと指摘。同行は来年に向けて「デジタル資産についてさらに議論することになる」と加えた。ウェルスファーゴは仮想通貨全体の時価総額が5600億ドルに成長したことを評価しつつも、ビットコインへの投資は「不安定な旅」としている。
ウェルスファーゴは2018年、同行のクレジットカードを使って仮想通貨を購入することを禁止した。今回のレポートは同行の仮想通貨への姿勢が徐々に変化していることを示している。レポートでは仮想通貨市場を「狂気」と評しながらも「流行は12年も続くものではない」と一定の評価を下した。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン