WeLabは、WeLend.hkやモバイル融資プラットフォームであるWolaidai.comを運営している香港のオンライン融資プラットフォームで、ベンチャーキャピタルにより1億6千万ドルの資金調達に成功した現在おおよそ10億の企業価値を誇るスタートアップだ。

報道機関などにより、次のユニコーン企業になるスタートアップの一つではないかと目されている一方で、WeLabが突出しているかと問われれば疑問が残る。主なアドバンテージとしては、swiftを利用したその与信審査の方法(たった15秒でシステムによる与信チェックとレートの審査が完了する)や、ユーザーそれぞれに合わせた独自のレートツールが存在する点など異なるシナリオに合わせたその専門的な評価システムだろう。

WeLabは、どの自社プロダクトにもブロックチェーン技術を利用するつもりがないという。Emercoinのエキスパート、Oleg Khovayko氏に、ブロックチェーンをシステムに実装した場合の利点などについて伺った。

 

「WeLabは、クレジットラインや支払いの延滞などの信用情報や、その他重要な情報を含むパブリックな元帳(パートナーではなく一般の人々に限定した)を展開するためにも、ブロックチェーン技術を利用するべきです。それによって貸手のネットワークが取引の処理をするアプリケーションを最適化することができます―基本的に、ブロックチェーンを導入することで、信用情報機関の役割を果たせるからです。

さらに、EMCSSLとInfocardなどの技術を実装することで、クレジットなどの必要事項を記入する際に、不正や詐欺などからそのリスクを減らすことが出来、顧客により安全なウェブ環境を提供することが出来ます」

 

 ―Oleg Khovayko, Emercoin

 

WeLabの成功もまた香港政府にとっては朗報だ。スタートアップへの資本流入が的確になされていないと気づいて以降、イノベーション・技術開発局がアクティブに香港のスタートアップを発展させていくための手順を踏み始めており、ほとんど資金が提供されていなかった過去の悪夢とはすぐに決別できると、各スタートアップが希望が持てるような展開になっていきそうだ。