ボーダフォン・デジタル・アセット・ブローカー(DAB)はノードオペレーターとしてチェーンリンクネットワークに参加し、日本の商社である住友商事との概念実証を完了させた。ボーダフォンの発表によれば、両社は貿易における文書の転送と金融取引の処理を改善することを目指している。
概念実証では、チェーンリンクのクロスチェーン相互運用プロトコル(CCIP)が使用された。DABは「ネットワークのエッジにあるIoTデバイス間でセキュリティと相互運用性を提供」した。概念実証を発展させていけば、ボーダフォンのIoTデバイスとブロックチェーンの両方でデータとトークンを転送するための単一のインターフェースが作成されるという。「例えば、貨物火災を検出した船が、DABのプラットフォームとCCIPを介してスマートコントラクトに自動的にデータを中継し、海上貨物保険の手続きのトリガーとなる可能性がある」。
貿易文書は、紙もしくは相互運用性が低いデジタルプラットフォーム上に存在し、担当者の手を何度も経ていく必要があり、大きな課題を抱えている。
国際通信会社であるボーダフォンは、2022年2月にDABを立ち上げた。最初にマスターカードと共に、電気自動車のドライバーが最適な充電オプションを見つけて支払うためのアプリの試験を英国で行った。
ボーダフォンは5月に住友と提携。両社は新たな事業体を設立し、ボーダフォンが80%を保有した。ボーダフォンは、DAB、知的財産、契約、技術、ソフトウェアを新事業に移転した。また、両社は共同でサファリコム・エチオピアに投資している。
ボーダフォンDABは、8月にエンタープライズブロックチェーンのアヴェンタス(Aventus )と提携し、航空業界のサプライチェーンの改善を目指した。
CCIPは9月にイーサリアムのレイヤー2であるArbitrum Oneで立ち上げられた。同月には、オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)と共に、オーストラリアドルのステーブルコインのテストも行っている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン