イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏は、医療、金融、ガバナンスといった重要分野において、オープンソースで検証可能な基盤を構築する必要性を訴え、中央集権的なシステムが信頼と安全を損なう危険性を警告した。

水曜日に公開したブログ記事で、ブテリン氏はデジタル基盤が生活に深く組み込まれるにつれ、閉鎖的で不透明なシステムに依存することは乱用と独占のリスクを高めると主張した。

「新たな技術の波から最も恩恵を受けた文明は、その技術を消費した文明ではなく、生み出した文明だ」と述べ、「開放性と検証可能性は、世界的な分断に対抗する手段になり得る」と付け加えた。

ブテリン氏は、検証可能なデバイスが世界的なシステムの基盤を形成する未来を構想している。「デフォルトでは、中央集権的な企業が構築・運営するデジタル基盤が広がるだろう。しかし、より良い代替に向けて舵を切ることはできる」と警告した。

医療・金融・投票のためのオープンで検証可能な技術

ブテリン氏は、独自仕様の医療技術がアクセスを制限し、データ独占を生み、監視リスクを利用者に与える可能性を指摘した。新型コロナウイルスのワクチン配布では、閉鎖的な製造・情報システムが公共の信頼を損ねた例を挙げた。対照的に、オープンなプロセスでコストと不信感を軽減するPopVaxのような取り組みを評価した。

COVID-19 vaccine coverage, 2021–23. Source: Vitalik Buterin

同様の懸念は金融分野にも当てはまる。ブテリン氏は、仮想通貨取引の署名に要した5秒と、署名済みの法的書類を海外発送するのに30分と119ドルを要した経験を比較し、「仮想通貨ウォレットやブロックチェーン基盤のシステムは、非効率を打破できるオープンで検証可能な基盤の一例だ」と語った。

さらに、特に投票において、安全でオープンなハードウェアとソフトウェアを構築する必要性を強調した。電子投票機に対する長年の懐疑を踏まえ、独自仕様の「ブラックボックス」ソフトウェアでは公共の信頼は得られないと指摘した。

プライバシー擁護者としてのブテリン氏

ブテリン氏はプライバシーの強力な擁護者でもある。今年4月には、プライバシーを設計の中核目標に据えるべきだと述べ、透明性や善意のリーダーシップへの盲目的な信頼は時代遅れだと主張した。

さらに、イーサリアムのプライバシーロードマップを発表し、ユーザープライバシーを確保するために必要な短期的なプロトコルやエコシステムの変更点を示した。

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