イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は、危機の時代において、イーサリアムが国家を結びつける接着剤としての役割を果たすことができると考えている。
ブテリン氏は、5月7日に開催されたイーサリアム・サミット2020に登壇。仮想通貨メディアのThe Defiantのカミーラ・ルッソ氏の質問に答えた。
同氏は、現在の世界的危機は単なる金融危機ではないと指摘。政治的不一致や各国間の不信感の高まりの中で、イーサリアムのようなネットワークの必要性が高まっていると語った。
「私はブロックチェーン、特にイーサリアムの役割があると確信している。システムや通貨、アプリケーションが相互に作用しするため、中立的なグローバルプレイヤーとしての役割を果たすことができるだろう。国民国家によって生み出され、維持されてきたものは、その役割を果たせていないと思う」
イーサ(ETH)という通貨とともに、世界の国々をイーサリアムのネットワークで接続するという考えなのかと、ロッソ氏から質問されると、ブテリン氏は同意。ブテリン氏は人々が仮想通貨(暗号資産)やブロックチェーンに向かわせる要因として「検閲、プライバシー、そして制度に対する懸念がある」と語った。
さらにブテリン氏は、2008年の金融危機と比較し、現在の状況が仮想通貨の新しい波を生み出す原動力となるかどうかについても議論している。
ブテリン氏は、EHTのような仮想通貨は世界の「非金融の問題」に対処することで、成長する可能性があると語った。
「仮想通貨の分野は、最初の10年間は金融の側面、つまりマネーの検閲に抵抗することに焦点が当てられていたが、2020年には同じテーマがさらに数多くみられるようになっているが、それは金融だけではなくなっている」
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン