決済大手Visaは、香港金融管理局(HKMA)の中央銀行デジタル通貨(CBDC)パイロットプログラムをHSBCと恒生(ハンセン)銀行と共に完了した。

11月1日の発表によると、このe-HKDプログラムでは、銀行に預けられた資金がブロックチェーン台帳にトークン化され、バランスシートのバックアップを得る形で発行される。

「銀行間の送金の最終決済までの時間は、我々のパイロットテストによるとほぼリアルタイムだった。トークン化された預金は送金銀行の台帳から消去され、受取銀行の台帳に発行され、同時にシミュレートされたホールセールCBDCレイヤーを通じて銀行間で決済された」とVisaは報告している。

さらに、Visaはパイロット期間中に、自社のプラットフォームが24時間7日間稼働し、休業日や週末には機能しない従来の決済システムを上回ることができたと述べている。「我々のテストは、世界中で利用可能なブロックチェーンネットワークを使用し、他のタイムゾーンのチームによってサポートされて完了した」という。

一方、トークン化された預金は暗号化された上で取引され、ブロックチェーンエクスプローラーで見ることができたが、参加者の身元、残高、取引額を非銀行ユーザーには見えない形となっている。

次のステップとして、Visaはトークン化資産市場とプログラマブル・ファイナンスの探求を進めるという。「例えば、このパイロットの"不動産支払い"のユースケースでは、契約の完了日に到達した際に、ディベロッパーへの残高トークンの移転を自動化することで、プロセスの終了までの遅延時間を最小限に抑えることができる」とVisaは記している。成功した結果を受けて、e-HKDパイロットプログラムは第二フェーズに進む予定だ。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン