2月28日のロイター通信の報道によると、米決済大手Visaとマスターカードは、仮想通貨企業との新しいパートナーシップの開始を延期した。FTXなどが破綻したことを受けて、規制当局の動きが強まったことが背景にある。最近ではマスターカードがUSDコインでの支払いを可能にし、Visaがステーブルコインを使った決済を視野に入れるなど、決済大手と仮想通貨企業の間の関係が向上していた。

報道によると、Visaとマスターカードは、市場の状況と規制環境が改善するまで、仮想通貨に関連する特定の製品とサービスの開始を延期するという。この延期は、過去1年以内にセルシウスやFTX、スリー・アローズ・キャピタル、ボイジャー・デジタルなどのデジタル資産企業の崩壊と倒産を受け、仮想通貨の規制環境が不透明であるためという。Visaの担当者は次のように語っている。

"仮想通貨業界における最近の大きな問題が連続していることは、仮想通貨が主流の支払いと金融サービスが統合する前に、長い道のりを歩んでいることを示す重要なリマインダーだ。"

一方でVisaの製品責任者であるCuy Sheffield氏はロイターの報道が「不正確」であると指摘。Visaが「仮想通貨会社と提携して、法定通貨との取引を改善するとともに、安全でコンプライアンス、かつ便利な方法でステーブルコイン決済を促進できる新しい製品を構築するための製品ロードマップを進展し続ける」と述べた。


「仮想通貨エコシステムにおける課題や不確実性にもかかわらず、パブリックブロックチェーン上で稼働する法定通貨裏付けのデジタル通貨は、決済エコシステムにおいて重要な役割を果たす可能性があるという我々の見解は変わっていない」