ベトナム中央銀行 (ベトナム国家銀行) は30日、国内でのデジタル通貨の使用を違法とすると発表し、18年上旬より仮想通貨を使用した者には日本円で最高約100万円の罰金を科すとした。
18年の第一四半期に実施されるこの新たな通貨法によると、ビットコイン等の仮想通貨は既に違法と解釈され、国内での使用が禁止される。また同法は、国内で認可する支払い方法をベトナム国家銀行が発行、管理する通貨を用いたものに限ると定めている。
今回の発表ではビットコイン等の採掘に関しては言及しておらず、各国で加熱する仮想通貨マイニングの位置づけは不明だ。
個人使用への影響は少ない?
今回のベトナム国家銀行による決定は、夏頃に報道された仮想通貨の法制化への動きとは異なり、ベトナム金融界のイノベーションを阻害する不当なものであるという声が聞かれる。
一方で、取引に仮想通貨を使用したいと考えるベトナム国内の個人にはあまり影響がないとみられる。政府や銀行も個人間の取引を監視することが現実的には難しいからだ。政府が唯一できることは、デジタル通貨を使用する中央集権化された企業に対するアンチキャンペーンを打ち出すことのみだ。
今回のベトナム国家銀行による決定は各国中央銀行の動きにならったものと考えられるが、デジタル通貨の使用に関わる詐欺への不安や懸念が払拭されれば、この禁止法は解除される可能性もある。