ベトナムの財務省が、仮想通貨マイニングマシンの一時的な全面禁輸を提言した。地元ニュースメディアのVNエクスプレスが5日に伝えた。

 報道によると、財務省の提言は4日付け。マイニングマシンは「規制が非常に難しい」新たなデジタル通貨の立ち上げに使用できるため、としている。

 記事では財務省の最近のデータが引用されており、今年はじめの4か月間だけで6300台以上のマイニングリグが国内に持ち込まれたという。昨年の総台数9300と比較した今年の急増についてはベトナム税関も注目している、とハノイ・タイムズが報じている。

 決済手段としての仮想通貨の使用は昨年後半にベトナムで初めて違法と宣言され、今年の第1四半期に法律が施行された。

 2件のイニシャル・コイン・オファリング(ICO)がからんだ6億6000万ドル規模の詐欺事件がベトナムの組織によるものだったと4月に報じられ、すでに厳しかった政府の姿勢がさらに強まっている。

 この事件では、2種類のERC20準拠トークン、「アイファン(Ifan)」と「ピンコイン(Pincoin)」の販売により、3万2000人の投資家が15兆ドン(約6億5800万ドル)をだまし取られたとされる。もし事実なら、仮想通貨の歴史上最大の詐欺事件となる。

 グエン・スアン・フック首相は4月中旬、「ビットコインを含む仮想通貨に関連した活動の管理」を強化するよう政府と金融機関に促し、仮想通貨の投資空間が「さらに複雑に進化している」と警告を発した。