ベネズエラの都市、プエルト・オルダスで、国家警備隊がビットメイン社製の仮想通貨(暗号資産)ビットコイン(BTC)マイニングマシン315台を押収した。マシン所有者は新型コロナウイルスに伴う検疫で輸送許可を持っておらず、必要な所有許可証も取得していなかった。
ベネズエラでは仮想通貨のマイニングは合法とされているが、マイニングマシンの保有には「国家暗号及び関連活動管理局(Sunacrip)」の許可が必要だという。また、新型コロナウイルス対策として、同国では国境を超えた輸送も許可されていない。
現地メディアの報道によると、押収されたのは古い型の「アントマイナー(Antminer) S9」だった。S9は現在、100ドルから250ドルで入手が可能で、今回の押収総額は約79000ドル(約848万円)になるとしている。
ビットコインマイニングマシンの現在の最新機器は「Antminer S19」で、今年の2月に発表されている。
ベネズエラでの仮想通貨受容
ベネズエラでは政府発行の仮想通貨「ペトロ」が発行されているほか、ビットコインやダッシュ(DASH)といった仮想通貨が広く普及している。
今年2月の報道では、匿名通貨ダッシュ(DASH)の需要が増えている。ダッシュの広報を務めるマーク・マーソン氏はベネズエラでダッシュのウォレットアプリ(アンドロイド版)を利用しているアクティブユーザーが昨年5月から1月までで7倍以上増加したことを明らかにした。
6月の報道では、全国のガソリンスタンドでの支払いの約15%が同国が発行した仮想通貨(暗号資産)ペトロ(PTR)が使用されたとうい。これはベネズエラ政府がトークンの使用を促進するための新しい計画を発表した最初の週に発生した。現地メディアのUltimas Noticiasが11日に報じた。
ベネズエラの市民は、ガソリンスタンドで生体認証のシステムを使用して、ペトロでの支払いを行うことになっているという。
また最近では、ベネズエラ政府の身分証明・移民・外国人登録局(SAIME)は、ベネズエラ市民がパスポート関連の支払いをビットコイン(BTC)で受け入れることを計画しているという報道も出ていた。ただ、この動きは正式なものではなく、不確定なものだ。
ベネズエラのオンラインのパスポート手続きのページでビットコイン支払のオプションが表示されたものの、その後、当局は一切説明をすることなく、新しい支払方法を無効化している。
ベネズエラでは、法定通貨への信用が低下しているため、代替資産としてビットコインや仮想通貨への投資が増えているともいわれている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン