ベネズエラのイルデマロ・ヴィラロエル住宅担当大臣は、同国政府がホームレス向けの住宅建設に対し、国営仮想通貨ペトロで資金供給することを計画していると発表した。クリプトテンデンシアが5日に伝えた。

 政府は、「ベネズエラ住宅供給のための偉大なミッション(GMVV)」と名付けられたプロジェクトに、資金を供給する。このプロジェクトはホームレスに対し、質の高い住宅を手に入れやすくすることを目的としている。GMVVのウェブサイトによれば、政府はこれまでに200万戸以上を完成させている。

 ヴィラロエル氏は、建設プロセスを開始するための技術・財務・物流面での試験が、これまでに33社の企業で始まっていると述べ、次のように付け加えた。

「州知事らと共に、第2四半期中に開始予定の計画を見直している。この第2四半期に、GMVVは財源の注入を受ける予定だ。今年の財源は、ペトロによって守られ、確立される」

 クリプトテンデンシアが引き合いに出す別の政府関係者は、ペトロが住宅建設のための「保護シールド」を作り出すと述べる。ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、750億ボリバル(約75万ドル)及び90万9,000ペトロの新築住宅向け予算を承認した。

 石油を裏付けとした国営仮想通貨ペトロを使って資金調達する、ベネズエラ政府の社会的構想は、これが初めてのことではない。マドゥロ大統領は5月、若者と学生の構想を支援するため、ペトロの出資による仮想通貨銀行の立ち上げを発表している

 最近数年間でベネズエラの政治的・経済的危機は深刻さを増し、インフレ率は25,000%を超える。その一方でベネズエラでは、仮想通貨ブームが起こっており、今年のビットコイン取引は大幅に増加している。ベネズエラのボリバルからビットコインへの交換取引は、3月から4月にかけて138%増え、4月から5月にかけてさらに39%増加した。