ビットコインETF(上場投資信託)を申請中の米運用会社ヴァンエックの幹部が、ビットコイン市場は債券や商品市場より透明性が高いと話した。先週、米国証券取引委員会(SEC)は、ヴァンエックなどが申請するビットコインETFの可否判断を来年2月末までに延期。今回の延期が最後とみられており、その動向が市場関係者から注目されている。
ヴァンエックのデジタル資産戦略のトップであるガボール・ガーバックス氏は、先週末に仮想通貨ポッドキャスト「WhatBitcoinDid」に出演し、ビットコン市場に関してSECはダブルスタンダードを持っていると批判。SECが懸念する価格操作やアジアなど米国以外での取引状況は「解決できない問題」で「なぜそんな大きな問題なのか理解できない」と発言。次のように述べた。
「時々理解に苦しむのは、なぜビットコイン側に対して高いスタンダートやダブルスタンダードが適用されるのかということだ。他の資産よりね。現在、ビットコイン市場の方が商品や債券市場より透明性が高い」
ガーバックス氏は、原油などの商品市場にもグレーな領域はあるし、外国の影響も受けやすいと指摘した。また同氏は、ヴァンエックが米株式市場のナスダックと提携して、仮想通貨のスポット市場の監視を進めていく意向を示した。
SECは7日、米運用会社ヴァンエックと金融サービス企業のソリッドXが取引所Cboeと組んで申請中であるビットコインETFの可否判断について、2019年2月27日まで延期すると発表。さらなる機関投資家の参入を促せることから、ビットコインETFは相場を反転させる材料として期待されている。
ただSECのビットコインETF支持派で「クリプトママ」と呼ばれるヘスター・ピアース委員は、過度な期待をしないように警告。「ビットコインETFの承認は明日になるかもしれないし、10年後になるかもしれない」と先行きの不透明感を指摘した。
SECは8月下旬に9つのビットコインETFを拒否した理由として「詐欺や価格操作を防ぐ上でSECが求める水準に達していない」という見解を示していた。
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