米国の副大統領や政権幹部らが、AIに関するリスクについて議論するため、AI業界や大手テック企業のCEOと会合を開いた。

バイデン政権のカマラ・ハリス副大統領は5月4日、科学、国家安全保障、政策、経済などのバイデン政権のアドバイザーとともに、OpenAI、マイクロソフト、グーグル、AIスタートアップのアンスロピクのCEOたちと会談し、「AIに関連するリスクへの懸念」を議論した。注目すべき点は、テクノロジー大手メタのマーク・ザッカーバーグCEOが会議に欠席したことだ。

会合に先立ち、ホワイトハウスはAI研究施設への資金提供、政府のAI政策、AIシステムの評価に関する一連のAI関連の発表を行っている。

会議では、AIシステムの透明性、AIの安全性を評価・検証する重要性、そして悪意ある行為者からAIを保護することが重要性がテーマとなったという。

報道によれば、政権幹部やテック企業CEOたちは、AIの適切な安全対策と保護策を開発・確保するために「さらなる取り組みが必要である」ことで合意した。

CEOたちは、米国人が「AIイノベーションから利益を得られるように」ホワイトハウスと協力することを約束した。必要な安全対策や政府の関与の詳細については具体的には明らかにされなかった。

何年もの間AIに取り組んでいる会社であるメタの最高経営責任者マーク・ザッカーバーグ氏は、会議を欠席した。ホワイトハウスの関係者はCNNに対し、「現在その分野でリーディングカンパニーである企業を対象としていた」と説明した

バイデン政権はAIが引き起こす国家安全保障上の懸念に対処するための取り組みを強調した。特にサイバーセキュリティとバイオセキュリティに言及している。

これらの取り組みにより、AI企業は「国家安全保障コミュニティ」のサイバーセキュリティ専門家からAIネットワークを保護するための「ベストプラクティス」にアクセスできるようになるとしている。

ホワイトハウスがAIに注力

バイデン政権は、7つの新しい国立AI研究所を設立するために1億4000万ドルを確保すると発表した。

「これらの研究所は、アメリカのAI(研究開発)インフラを強化する」とホワイトハウスは述べた。また、これらの研究所が「気候、農業、エネルギー、公衆衛生、教育、サイバーセキュリティ」などの分野で「画期的な成果」を生み出すだろうと付け加えた。

政府は別の発表で、アンスロピク、グーグル、マイクロソフト、OpenAI、NVIDIA、ハギング・フェイス、スタビリティAIなどの企業も、8月にハッカーイベントDEFCONでスケールAIというAIトレーニング企業のプラットフォームで公開評価されることになったと述べた。

最後に、ホワイトハウスは米国政府がAIをどのように使用するかに関する草案方針を今年夏に公表する予定だという。連邦政府各部署や機関によるAIの開発、使用、調達に関する政策が策定される予定だ。これらの政策は、州や地方政府がAIの調達や使用において「モデル」となるものだとされている。