米国の代表的な株価指数ダウ平均株価が3月9日に7%以上急落し、2008年の金融危機以来で最悪の日となった。ダウとS&P500指数、ナスダックは今年記録した過去最高記録から約19%下落。過去最高値から20%の下落は「強気相場の終えん」と言われており、今回の株価急落で11年前に始まった強気相場が終わったという声が出ている。

11年前に生まれた仮想通貨ビットコイン(BTC)にとっては、米国株の強気相場終えんは未知の領域だ。3月10日のビットコインは米株式市場ほどではないが2%以上下落しており、再び8000ドルを下回った。

(出典:Coin360 日本時間3月10日8時15分)

米国株急落の背景にあるのは、原油市場での価格戦争と新型コロナウイルスへの懸念拡大だ。

先週末、サウジアラビアによる原油の減産提案をロシアが拒否し、原油大国である両国が敵意むき出しで原油の増産に踏み切りはじめた。マーケットでは原油の量産に対する懸念が拡大し、原油価格は1991年以来の下げ幅を記録した。

また、新型コロナウイルスへの対応をめぐりイタリアが移動制限を10日から全土に拡大すると発表した。

世界同時株安に伴って下落してきたビットコインだが、下げ幅は2%ほどにとどまっている。米国10年債の価格は上昇(金利は低下)。金(ゴールド)はわずかに下落した。

ビットコインは、これまで米国株の強気相場以外を経験したことがなかった。短期的にはリスク資産のように動いて長期的には安全資産として動くという見方も出ているが、真価が問われるのはこれからになるだろう。