米証券取引委員会(SEC)の「クリプトママ」ヘスター・ピアース委員は、トークンの発行・販売に関する「セーフハーバー」構築に関心を示した。「セーフハーバー」とは、一定の条件を満たした場合に法令違反に問われないことを事前に示すことだ。

シンガポールのブロックチェーン・コンサル企業ジェンガ(Jenga)BCGは7月30日、シンガポールでフォーラムを開催。同フォーラムでピアース委員が講演した。ジェンガの5日の発表によれば、フォーラムにはピアース氏のほか、シンガポール金融管理局(MAS)の幹部らが出席した。

ピアース氏はスピーチの中で、一定の要件を満たした場合にトークンの発行や販売を認めるセーフハーバーを構築することに関心があると述べた。

「非排他的なセーフハーバーは、発行者が確固たる要件を備えた代替的手法の下でトークンを提供することを認めることになるだろう。〔中略〕この要件は、現在の規制と異なり、購入者のデジタル資産のニーズに合わせ調整される。開発者やユーザーがトークンを取引することも認められるようになるだろう」

ピアース氏は、セーフハーバーに基づいたトークンの提供は、調達した資金の使用方法を説明する情報開示メカニズムを備えるなど一定の要件が必要となるが、デジタル資産に応じた対応が必要だと語る。

「オープンソースのネットワークでの使用を目的としたトークンの購入者にとっての重要な開示は、普通株の購入者にとっての開示とは異なる可能性があるだろう」

ピアース氏は、SECのビットコインETF拒否に反対したことから、仮想通貨コミュニティの中で「クリプトママ」と呼ばれている

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版