クラウドベースのスマートコントラクトプラットフォーム「シンバ・チェーン」が、米国海軍研究所から150万ドルの助成を受け、米軍のサプライチェーンを改良する任務を負った。

このプロジェクトは、重要な軍用兵器部品のデマンドセンシングを可能にするための、ブロックチェーンベースのソリューション開発に責任を負うことになる。デマンドセンシングとは、需要を前もって正確に予測するために情報をリアルタイムに処理する予測技術で、サプライチェーンロジスティクスで利用される。

作業はボーイング社製戦闘機F/A-18ホーネットを中心に使用事例を作り上げることに重点が置かれる。同戦闘機は80年台に最初のバージョンが導入され、今でも米海軍の根幹を成している

シンバ・チェーンは1月6日にフロリダ州ジャクソンビルの海軍航空基地で作業を開始した。そこで同社は海軍企業持続技術チーム(NESTT)と協力して作業を行う。

NESTTのプロジェクトリーダーを務めるスティーブ・マッキー氏によれば、海軍の中小企業技術革新研究(SBIR)プログラムは軍の即応能力を向上させる技術イノベーションを開発するため、20年に3000万ドルの割り当てを受けたという。

「20年に海軍省のSBIRプログラムは、即応能力向上のためのイノベーションの推進支援のため、3000万ドルを超える割り当てを受けた。シンバ・チェーンとのこのブロックチェーンプロジェクトは、我々の軍事施設の再生だけでなく、システムの再生においても、技術の役割を示す良い例となる。ジャクソンビルの艦隊即応センターと共に実施する今回のようなパイロットプロジェクトは、イノベーションと、最終的には肯定的な結果の、両方を推進する」

シンバ・チェーンのジョエル・ニーディグCEOは、ブロックチェーンはトランザクションの不可逆性、改ざんを防ぐ性質、および正確な監査が可能な能力のおかげで、効果的な軍事サプライチェーンの根幹を成す役割を果たすことができると述べた。

「ブロックチェーンは複雑なサプライチェーンのペインポイントを解決するのに非常に適している。拒否することができないトランザクションを記録するための分散化されたメカニズムを可能にし、データの不変性と監査可能性の両方を実現して、一度書き込まれたら改ざんできなくするためだ」と、ニーディグCEOは言う。

シンバ・チェーンは、国防高等研究計画局(DARPA)から授与された研究助成金の結果として、インディアナ・テクノロジー&マニュファクチャリング・カンパニーズ(ITAMCO)とノートルダム大学により17年に開発された。それ以来、このプロジェクトはDARPA、米エネルギー省、および米国防省と多くの契約を交わしてきた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン