仮想通貨カストディアン(保管業者)の間での競争は熾烈を極めているようだ。米仮想通貨メディアのザ・ブロックによれば、仮想通貨カストディアンのキングダム・トラストが、同業のビットゴーおよびビットコインIRAに対して訴訟を起こした。ビットゴーおよびビットコインIRAが、キングダム社の企業秘密を不正に利用したと主張しているという。

キングダム・トラストは、米国の仮想通貨カストディ企業、30種類のデジタル資産のカストディを提供している。ビットゴーも仮想通貨カストディでは大手企業の1つだ。ビットコインIRAは仮想通貨の取引プラットフォームでビットゴーと提携している。

報道によれば、キングダム社は、同社の顧客リストを利用して、ビットゴーに移るように勧誘したと主張している。

ビットコインIRAは、キングダム社との契約でキングダム社の顧客情報など企業秘密を取得した可能性があるという。そしてビットコインIRAが、顧客情報などをビットゴーと共有したというのが、キングダム社の主張だ。

ビットコインIRAは19年6月、同社がホストするキングダム社のクライアントポータルで、顧客にアカウントのアップグレードを促すリンクを表示したという。このリンク先では、キングダム社からビットゴーに資産を移転するよう要求していたというのだ。

ビットゴーは、ザ・ブロックに対して「司法プロセスを通じて事実が明らかになれば、弊社が不正行為を一切行っていないことを明確にできると確信している」とコメント。

またビットコインIRAの親会社デジタルIRAは、キングダム社を相手取って反訴を起こしたという。キングダム社が、顧客がほかのカストディ業者にアカウントを移そうとするときに、それを妨害していた主張しているという。