記事執筆時点で、米下院は第118回議会の議長が決まっていない。いずれの候補も議長選で過半数が獲得できておらず、再投票を実施する事態となっている。1回の投票で決まらず、再投票が行われるのは1923年以来、100年ぶりだ。議長が決まらなければ、FTXの公聴会の遅れにつながりそうだ。

下院議長選は過半数(218票)を獲得する議員が出るまで投票を繰り返すが、4日時点で、下院で多数派を占める共和党で有力視されているケビン・マッカーシー院内総務が、5回の投票を経ても過半数の支持を獲得できていない。現在は休会しており、日本時間5日10時に再開される。

議長が決まらなければ、下院は実質機能しない。規則を採択できず、委員の割り当ても進まない。1923年の再投票は9回行われている。

2022年12月に下院金融サービス委員会は破綻した仮想通貨取引所FTXを調査する公聴会を開いた。下院金融サービス委員会は、経済の安定化だけでなく、お金と信用に関する問題も担当する。そのために仮想通貨に関する法案の導入や規制に関連する公聴会の実施も関係する。

しかし、下院議長が選出されなければ、FTXに関して詐欺の申し立てに対処したり、仮想通貨企業に規制を実施する法律の取り組みが遅れてしまう可能性がある。5回の投票を経て、マッカーシー氏は徐々に投票数を減らしている。

Source: The New York Times