米国の仮想通貨ウォレットとブロックチェーンのセキュリティ会社ビットゴー(BitGo)は、サウスダコタ州の銀行部門から信託会社としての認可状を取得した。これにより、規制された仮想通貨カストディアンとしての地位を得た形だ。CNBCが13日伝えた

 カリフォルニア州拠点のビットゴーは、信託会社を創設することで、本人確認(KYC)およびアンチ・マネー・ロンダリング(AML)のチェック、財務監査の実施、月次情報開示を含む規制の監視の対象となる。

 同社の共同設立者兼CEOのマイク・ベルシェ氏は、規制された仮想通貨保管サービスを開始することについて、次のように語った。

「これはインフラの欠けている部分だ。現在の環境はひどいものだから。ヘッジファンドはカストディを必要とし、ファミリーオフィスもそれを必要としている。規制された仮想通貨の保管場所を手に入れるまで、彼らはデジタル通貨市場に参加することはできない」

 以前に報告されたように、仮想通貨市場の成熟を妨げ、機関投資家の市場参加を促すための主要な障害の1つは、保管領域であることは広く共有された事実である。CNBCは、コンサルティング会社TABBグループのモニカ・サマビル氏にインタビューしている。「機関投資家は解決策を見つけることに非常に関心がある。しかし、様々な理由で完璧なソリューションを見つけたと思っている人はいない」

 サマビル氏は、「より良い代替品」が見つかるまで、バインダーで整理された「ベビーキャロット」サイズの仮想通貨ハードウェアウォレットに、クライアントの仮想通貨を保管しているファミリーオフィスと働いていると付け加えた。

 個人投資家は、オフラインのコールドストレージに仮想通貨を保管する比較的安全なオプションを持っているが、ファミリーオフィスやヘッジファンドは、1億5000万ドル以上の仮想通貨を保管する場合、資産を安全に保管するために第三者の規制機関を利用することを米国証券取引委員会(SEC)から求められているという。

 ビットゴーと並んで、今年は米国の仮想通貨取引所コインべースと日本の野村ホールディングスが、独自の保管ソリューションの研究を開始している。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の運営会社であるICEは、今後のバクト(Bakkt)設立の一環として、仮想通貨領域にカストディアン・ソリューションを導入する予定だ。