米テック系ブログメディア「モダンコンセンサス」が複数の事情を知る人物の話を元に独占スクープとして伝えたところによると、モバイル決済アプリを運営する「サークル」が米仮想通貨取引大手ポロニエックスを買収するための交渉を進めているという。

 サークル取締役ラジ・デイト氏はモダンコンセンサスに対しコメントを控えている。

 仮想通貨ヘッジファンド「ブロックタワーキャピタル」の最高情報責任者アリ・ポール氏は自身のツイッター上で、サークル内部の人物に確認した話を元に、買収交渉の話は「フェイクニュース」であるとしている。

 「モダンコンセンサス」はニューヨークオブザーバー紙の元編集長ケン・カーソン氏が設立したブログで、仮想通貨とブロックチェーン関連のニュースに特化している。

 あるツイッターユーザーは、カーソン氏が報道の信ぴょう性に名誉を懸ける人物であることから、ポール氏が連絡を取ったサークル内部の人物が事実を把握していないか、意図的に否定している可能性について尋ねている。

 「モダンコンセンサス」はサークル“上層部”の人物の話として、「サークルとポロニエックスは買収の条件に同意。サークルは既に規制当局に連絡している。規制当局は本人確認関連の要件リストを提示し、サークルはこれを満たすことに同意した。」

 サークルとポロニエックスはコインテレグラフからの問い合わせに対し返答をしていない。

 サークルは「サークル・ペイ」と呼ばれるチャット機能付きの法定通貨送金サービスと、「サークル・トレード」と呼ばれるマーケットメイキングを通して仮想通貨の流動性を提供するサービスを運営する。そして今年、個人投資家向けの仮想通貨取引アプリ「サークルインベスト」も市場に投入予定だ。

 これまでゴールドマンサックスや中国の検索エンジン最大手「百度」などがサークルに投資している。

 ポロニエックスはこれまでの24時間の取引量ベースで世界第14位の仮想通貨取引所だ。コインベースが運営するGDAXが4種の仮想通貨しか取り扱わないのと比べ、ポロニエックスは68を扱う。また同取引所では今年に入って、顧客の口座残高に実際と異なった数字が表示されたり、出金に大幅な遅延が生じるなどの問題が発生していた。