Web3空間の拡大とともに、非代替性トークン(NFT)の使用例は増加を続けている。ウクライナの美術館での事例のように、芸術の分野でもNFTユーティリティの新たな形を模索する動きが広がっている。

ハルキウ美術館は10月13日、美術館のNFTコレクション「Art without Borders(国境なきアート)」の取り扱いがバイナンスのNFTマーケットプレイスで始まったと発表した

Art without Bordersには美術館が所蔵するコレクションから15点の作品が収録されており、収益は美術館の運営と「ウクライナの文化遺産の保護」に活用されるという。

ハルキウ美術館はウクライナ最古の美術館の1つで、国内外の芸術家の作品を25000点近く所蔵している。今回のNFTコレクションには、アルブレヒト・デューラー(Albrecht Dürer)やゲオルグ・ヤコブ・ヨハン・ファン・オス(Georg Jacob Johann van Os)、イヴァン・アイヴァゾフスキー(Ivan Aivazovsky)、シモン・デ・フリーヘル(Simon de Vlieger)等の作品が含まれている。

バイナンスのNFT分野を管轄するリサ・ホー氏はコインテレグラフの取材に対して、NFTを活用すると、紛争時に安全かつ確実に資金を提供できる方法を模索する資金提供者に対して安心感を与えることができると述べた。

「取引全てがブロックチェーン技術に登録されるため、(NFTは)資金提供者に安心・安全を提供することができます。NFTを通じて行われる資金提供は全て追跡され、手を加えたり削除したりすることは不可能です」

ホー氏は続けて、「ブロックチェーンが持つ透明性により、資金提供者は資金がいつ提供者のもとに届いたのか、資金が問題無く届いたかどうかを知ることもできる」と述べた。

また、「誕生したばかりのNFT技術と長い歴史を持つウクライナの文化遺産をNFTで融合させることで、現実世界における文化や歴史の再構築を支援することができる」と話し、バイナンスとしては引き続き、「ウクライナの文化遺産保護を含め」、様々な社会問題に対して現実的かつスケーラブルなソリューションを生み出すNFTプロジェクトを支援していくと語った。