英国の銀行規制当局である健全性規制機構(PRA)は、仮想通貨の発行と保有に関するルールを提案する。イングランド銀行(BOE)の健全性政策局長であるヴィッキー・サポルタ氏が2月27日に同銀行での講演で述べた。このルールは、バーゼルIIIのルールと、現在議会で審議されている金融サービス・市場(FSM)法案を考慮して策定される予定。

FSM法案は、1月に上院(貴族院)で第2読会が行われ、PRAに英国の国際的な経済成長を促進するという新たな第2目標を与えることになる。この目的のために、サポルタ局長は「PRAのルール作りは、世界の金融センターとしての英国の強みを生かし、ビジネスを行う場所としての英国の信頼を維持し、英国の事情に合わせた規制を行う」という3点を実現できると強調した。さらに以下のように付け加えた。

「デジタル資産の発行と保有に関するルールも提案する予定だ」

サポルタ局長によると、BOEとPRAは、他の6つの機関と協力して「計画を一箇所にまとめた規制案」を作成しているという。この新しい枠組みは、現在施行されている「迷宮」のような規制に取って代わるもので、その多くは欧州連合(EU)の規則だ。英国は2020年にEUから離脱した。

PRAはバーゼル3.1基準が確定した時点で、実施に向けてコンサルティングを行う。これらの基準は、銀行が仮想通貨へのエクスポージャーを資本の1%に制限し、リスクプレミアムを1,250%にするよう求めるものだ。EUも同様の法案を検討している。サポルタ氏は次のように語る。

「国際的に活動する企業にとって、ローカルスタンダードの規制に適応するよりも、1つのグローバルなルールブックに従うことの方が容易になる」

さらに、FSMは、決済システムと電子マネーに関する現在のBOEの規制をステーブルコインに拡張するものとなる。協議の結果、PRAは、「PRA規制対象企業の新しい基準は、他のセクターの規則と一貫性がある」ことを意図しているという。