米国の名門大学カリフォルニア大学バークレー校が、来月よりオンラインで仮想通貨とブロックチェーンの教育講座を始める。技術者だけに限らずブロックチェーンをキャリアに生かしたいと考える「すべての人」が対象となっていて、オンライン講座を通して世界中の人々に仮想通貨とブロックチェーンの基礎を学ぶ機会を提供する。

 この講座は、「ビットコインと仮想通貨」「ブロックチェーン技術」という2つのコースで構成されていて修了までに3ヶ月かかる。1週間における授業や勉強時間の目安は3~5時間。授業料は、全体を通して178.20ドル(約19500円)だ。コースの終わりには修了証も発行される。

 1つ目のコースの「ビットコインと仮想通貨」では、ビットコインの基礎、背後にある技術(ハッシュ関数、ビットコイン・スクリプトなど)やビットコインがルーツに持つサイファーパンクやリバタリアンの思想に触れる。またウォレット開設やマイニングなどの実習もあり、ネットワーク攻撃や悪意のあるマイニングについても学ぶ。

2つ目の「ブロックチェーン技術」では、分散型システムとその代替システム、クリプトエコノミクスやプローフ・オブ・ステークスについて学習する他、JPモルガンの「クオラム」やリップル、ハイパーレジャーなどのブロックチェーン技術の応用事例、政府の規制状況などについても網羅する。2つのコースのシメには、様々なブロックチェーンベンチャーの事業を見てブロックチェーンがもたらす未来について思考実験を行う。

 コンピューターワールドによると、これまでに7400人が登録。カリフォルニア大学バークレイ校の関係者は「かなり良いペースで生徒が集まっている」と発言しているという。

 エンジニア不足に対応するため、ブロックチェーンの教育講座を開催する機関は増えていて、国内では去年ブロックチェーン大学校が設立された一方、海外ではブラジルの主要大学、ジェトゥリオ・ヴァルガス財団(FGV)大学が国内初の仮想金融学の修士課程を開講する。