グループコミュニケーション支援サービス「らくらく連絡網」などを運営するイオレが6日、"セキュリティ”に特化した短期集中講座「ブロックチェーン・セキュリティ・ブートキャンプ」を7月より開催すると発表した。背景にあるのは、とりわけブロックチェーンのセキュリティについてノウハウを持った人材の不足だ。

 「ブロックチェーン・セキュリティ・ブートキャンプ」は、週末の2日間に集中して開催され、ブロックチェーンの基礎やセキュリティ対策などが学べる。2日目のテストに合格して卒業証書を授与された人に対してはキャリア相談も実施する予定だ。最初の2回は東京で開催され、それ以降は東京以外にも拡大する予定だという。講師にはブロックチェーンの専門家である杉井靖典氏を迎える。

 イオレの各サービスはブロックチェーンと親和性が高いものの、サービス実現に向けてエンジニアの確保に頭を悩ませているという。

 例えばサークルなど38万団体が利用する「らくらく連絡網」では、団体内での集金など個人間での送金にブロックチェーン技術が使える可能性がある。また、ユーザー情報を活用した広告配信サービス「pinpoint」では、スポンサー店舗がクーポンを配信する際にブロックチェーン技術の応用が見込まれる。未使用のクーポンを「転々」と流通させて、クーポンを使った人・使わなかった人などを追跡して可視化する「追跡型クーポン配信」のプラットフォームを構築することで、利用率向上などの効果が期待できるという。

 「ブロックチェーン・セキュリティ・ブートキャンプ」で募集するのは技術者だけではない。杉井氏は「どこにリスクがあるか知るべき人は技術者というよりもプランナー」と指摘し、ブロックチェーンに興味があって多少勉強したことがあり、仕事に活かしたいと考えている人であれば十分参加資格があると話した。

 ブロックチェーンの教育講座を開催する関係機関は増えていて、国内では去年ブロックチェーン大学校が設立された一方、海外ではブラジルの主要大学、ジェトゥリオ・ヴァルガス財団(FGV)大学が国内初の仮想金融学の修士課程を開講する