2020年は、カリスマ投資家のポール・チューダー・ジョーンズ(PTJ)氏やマイクロストラテジーなど一握りの伝統的な金融大手がビットコインに参入した。仮想通貨取引所ジェミナイの共同創業者であるタイラー・ウィンクスボス氏はこうした動きを受けて、「ビットコインには大量の資金が流入している」と述べた。

タイラー氏は、11日のCNBCのインタビューで「今年は最も洗練された投資家や最も賢い人々が静かにビットコインを購入した。FOMO(取り残されることへの恐怖)による上昇ではない」と発言した。2017年に個人投資家主導による動きとは対照的に、機関投資家が牽引した一年だったと総括した。

2020年はPTJやマイクロストラテジーの他にも、スタンリー・ドラッケンミラー氏やジャック・ドーシー氏率いるスクエア社、マスミューチュアル、グッゲンハイム・パートナーなど多くの機関投資家がビットコインに投資した。こうした動きは不安定な世界経済へのヘッジと言えるだろう。

ビットコインは価値の保存手段として、さらにインフレヘッジ手段として金と比較される。タイラー氏は次のように話す。

「スクエアやマイクロストラテジーのような大手企業は、来るべきインフレと、新型コロナウイルスに起因する法定通貨の大量注入や景気刺激策によるインフレを心配しているため、自己資金をビットコインに投入している。」

ビットコインのボラティリティについて質問されると、両氏はビットコイン売らずに保有を続ける「バイアンドホールド」戦略でいくべきだと主張した。

「ビットコインは、金を破壊するような価値を持つ新興の資産だ。金と比較すると、ビットコインの時価総額はいずれ9兆ドルに達する」とし「つまり、実際には通貨として使用する必要はなく、価値を蓄えたものであれば、ボラティリティは問題ではない」とタイラー氏は話した。

同氏、時間の経過とともにビットコインのボラティリティがある程度低下すると予想している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン