ステーブルコイン「トゥルーUSD(TUSD)」で、保有者がステーブルコインのUSDTに換金する動きが活発化したことを受けて、米ドルペッグを割り込んだ。TUSDにはジャスティン・サン氏が関与している。

1月15日午前11時(UTC時間)頃にTUSDの価格は米ドルペッグから大きく下落し、午後11時15分には0.984ドルにまで下落した。CoinMarketCapのデータによると、記事執筆時点でもTUSDの価格は0.990ドルで、米ドルペッグから下落している。

TUSD’s peg started tumbling just after midnight on Jan. 15, amid a frenzy of selling on Binance. Source: CoinMarketCap

このデペッグは、バイナンスなどの仮想通貨取引所でのTUSDの売り圧力の高まりを背景に発生した。執筆時点で、バイナンスでは過去24時間で3億3920万ドル以上のTUSDが売却され、買い注文は2億9680万ドルにとどまっており、ネットで4230万ドルの流出が発生している。

Net outflows for TUSD on Binance currently stand at $42.3 million. Source: Binance

1月10日には、TUSDがリアルタイムで準備金を証明するのに困難になっているとのポストがあり、TUSDが準備金不足である可能性があることを示唆していた。

Protosの1月10日の記事によると、TUSDのシステムはAPIで複数のエラーが発生し、準備資産の米ドル価値を供給することができなかったという。

偽名XユーザーのRho Rider氏は12月16日のXの投稿で、TUSDの問題に最初に注目し、TUSDのアービトラージ取引の可能性を指摘した。

TUSDは、ポロニエックスではペッグから8%近く下落した0.92ドルで数週間にわたって取引されていたが、バイナンスでは0.99ドル前後で安定している。

Rho氏は「大きな疑問は、なぜ誰も10%近いアービトラージを取らないのかということだ」と疑問を呈した。

Rho氏の結論は、ユーザーがポロニエックスでTUSDの引き出しや預入ができず、アービトラージ取引が不可能だったというものだ。

コインテレグラフがポロニエックスのテレグラムグループで確認したところ、ユーザーは引き続きTUSDの引き出しができないという。

TUSDとポロニエックスにコメントを求めたが、回答は得られていない。

Xのユーザーの中には、TUSDがバイナンスのマンタ(MANTA)のローンチプールイニシアチブの対象資産に含まれていなかったことが、売り圧力の高まりにつながった可能性があると推測する人もいた。