米国のトランプ大統領は先週末、大統領首席補佐官代行にミック・マルバニー氏を充てる人事を発表した。大統領首席補佐官は、ホワイトハウスや政権内の調整を手掛ける重要ポスト。実は、このマルバニー氏は、ビットコインやブロックチェーン技術を熱心に支持する人物だ。

マルバニー氏は米行政管理予算局(OMB)の局長から首席補佐官代行のポストに就く。現在首席補佐官を務めているジョン・ケリー氏は年末に退任することが発表されているが、後任人事についてはいまだ不透明な状態だ。代行となったマルバニー氏が実質的に政権内の調整を行うことになる可能性もある。

もともとマルバニー氏は、共和党選出の下院議員として活動していた人物だ。下院議員時代の2016年には、米議会内でブロックチェーン議連を立ち上げた人物だ。マルバニー氏は議連立ち上げ時に、ブロックチェーン技術に対する熱意を次のように述べている

「ブロックチェーン技術は、金融業界や米国経済、政府のサービス提供に革命をもたらす可能性がある」

さらに2016年のスピーチの中で、米連邦制度理事会(FRB)を「ドルを切り下げて、経済成長を阻害する」と批判する一方で、ビットコインを「いかなる政府にもコントロールされない」通貨だと称賛した

仮想通貨・ブロックチェーンに関連する人事では、トランプ大統領は今年9月、米証券取引委員会(SEC)の新しいコミッショナーとして、ロイズマン氏を指名している。ロイズマン氏は、フィンテックの支持者として知られる元SECコミッショナーのダニエル・ギャラガー氏の顧問弁護士を務めた経験がある。ロイズマン氏はICOやブロックチェーンといった新しい潮流について、「市場参加者や投資家に対して明快さ・確実性をもたらすことが重要」と強調している。