米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル氏はFRB議長としての任期が5月に終了する予定だ。トランプ政権は、パウエル議長の後任として、少なくとも11人の候補者を検討しており、そのうち3人以上は仮想通貨に対して前向きな姿勢を示している。

ベッセント財務長官は今週、FOXニュースに対し「非常に有力な候補者が11人いる」と述べ、来月から精査と絞り込みを始めると語った

CNBCの報道によれば、候補者リストには、ダラス連銀総裁のローリー・ローガン氏、元セントルイス連銀総裁のジェームズ・ブラード氏、FRB副議長のフィリップ・ジェファーソン氏、FRB理事のクリス・ウォラー氏、銀行監督担当副議長のミシェル・ボウマン氏、元FRB理事のラリー・リンゼイ氏らが含まれている。

さらに、ブッシュ政権で経済顧問を務めたマーク・サマリン氏、投資銀行ジェフリーズのチーフマーケットストラテジストであるデービッド・ゼルボス氏、ブラックロックのグローバル債券部門の最高投資責任者リック・リーダー氏もリスト入りしている。

FRBは米国の金利を決定し、それが市場の投資行動に影響を与える。利下げは流動性を高め、仮想通貨のようなボラティリティが高くリスクのある資産への投資を促す一方、利上げは投資家にリスク資産売却を促す傾向がある。

リーダー氏「ビットコインはここに留まる」

ブラックロックのリーダー氏は過去に仮想通貨について前向きな発言をしている。

同氏は2024年初めにウォール・ストリート・ジャーナルに対し、ビットコインは「資産配分の枠組みの大きな一部になる可能性が高い」と述べ、「時間の経過とともに人々はより快適に受け入れていく」と指摘した。

また2020年11月にはCNBCに対し、仮想通貨とビットコインは「ここに留まる」と考えており、「特にミレニアル世代によるテクノロジーと仮想通貨の受容は本物だ」と語っていた。

ブラックロックは最大のビットコインETFとイーサリアムのETFを運用している。

ウォラー氏とボウマン氏、仮想通貨に前向き姿勢

候補者とされるウォラー氏とボウマン氏も、最近仮想通貨に友好的な姿勢を示している。

FRBの規制責任者トップであるボウマン氏は8月20日、FRB職員が技術を理解するために少額の仮想通貨投資を認めるべきだと述べ、基盤となる機能を理解する「実務的な知識」に資するとした。

FRB理事のウォラー氏も翌21日、銀行業界は仮想通貨決済が従来の銀行システム外で運営されることを「恐れる必要はない」と述べ、これは「取引や記録を移転する新しい技術にすぎない」と語った。

一方、パウエル議長は仮想通貨について触れる機会は少なく、慎重な姿勢を促す発言が多い。6月には仮想通貨がより主流化したと述べ、銀行がこの分野への関与を高めると予想。また12月には、ビットコインは米ドルというより金の競合だと発言している

ジェフリーズも仮想通貨に積極的

一方、ゼルボス氏が戦略を主導する投資銀行ジェフリーズも仮想通貨分野で活動している。

同社は、取引プラットフォームeToro、ステーブルコイン発行企業サークル・インターネット・グループ、仮想通貨取引所ブリッシュ、仮想通貨レンディング企業フィギュア・テクノロジー・ソリューションズの上場に関与してきた。

また、マイケル・セイラー氏率いるストラテジーによるビットコイン購入計画を早期から支援しており、少なくとも過去5年間は仮想通貨専任の幹部を置いていたという。

パウエル氏の議長としての任期は5月に終了するが、FRB理事としての任期は2028年初頭まで続く。ジャクソンホールでのパウエル氏の演説は利下げ期待を高めており、市場は9月中旬の次回会合での利下げを織り込み始めている。

bitbankで新規口座開設後、1万円の入金でもれなく現金1,000円プレゼント!【PR】

Federal Reserve, Policies