仮想通貨取引所運営およびメディア事業を手がけるブリッシュがニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場し、株価は最大218%急騰した。仮想通貨関連資産への機関投資家の関心の高まりを示す動きとなった。
数週間にわたる憶測を経て、ブリッシュは水曜日にIPO価格37ドルで上場。当初の目標レンジである1株32〜33ドルを上回った。
ティッカーシンボル「BLSH」で取引された株価は日中高値で118.00ドルに達し、IPO価格比218%の上昇を記録。Yahoo Financeのデータによると、取引量は約3,800万株だった。午後の取引でも株価は約86ドルと131%高を維持し、時価総額は約130億ドルに達した。コインテレグラフの報道によれば、ブリッシュは当初、2,030万株の発行を前提に48億ドルの評価額を目指していたが、水曜日の報道では上場時に3,000万株を発行したことが確認されており、強い需要があったことがうかがえる。
ブリッシュは2021年に機関投資家向けデジタル資産プラットフォームとして設立され、2023年には7,260万ドルで世界第2位の読者数を誇る仮想通貨メディア「コインデスク」を買収。ペイパル共同創業者ピーター・ティール氏らが出資している。
同社は当初、2021年に特別買収目的会社(SPAC)による上場を計画していたが、最終的に中止となった。しかし結果的に、2025年は仮想通貨関連IPOにとってより有利な環境となっており、この延期が同社に追い風となった可能性がある。
現在、デジタル資産関連企業のウォール街上場は増加傾向にあり、トランプ政権が推進する「GENIUS法」の施行や、8月休会前に下院を通過した「CLARITY法」「反CBDC監視国家法案」など、革新と普及を後押しする動きが背景にある。
ブリッシュ上場は仮想通貨IPOラッシュの継続を示唆
Web3決済プラットフォーム「マーキュリオ」の共同創業者兼CEOであるピーター・コズヤコフ氏は、コインテレグラフに対し「ブリッシュの上場は、仮想通貨ネイティブ企業への機関投資家の需要が明確に高まっていることを反映している」と述べた。
「現在、機関投資家は、取引所やステーブルコイン発行者、決済プラットフォームなど、デジタルトークンサービスと実体経済を結びつける企業へのエクスポージャーを積極的に求めている」と同氏は語る。
この傾向の背景として、世界的に仮想通貨業界寄りの規制へのシフトが進み、規制順守型の企業が大口投資家にとって魅力を増していることを挙げた。「ブリッシュのIPOは、ハイプに乗ったものではなく、強固なガバナンス、規制順守のアプローチ、機関投資家向けのインフラを備えた企業の好例だ」とも述べている。
こうした環境もあり、ブリッシュの規制当局提出書類には、IPOでの最大買い手の中にブラックロックやARKインベストメント・マネジメントの関連会社が含まれていたことが明らかになっている。
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