時価総額で第10位に位置する仮想通貨のトロン(TRX)は、独立したパブリックブロックチェーンへ移行し、メインネットをローンチした。トロンファンデーションが25日にブログ記事を投稿した。

 トロンファンデーションは、6月25日のメインネットへの移行をトロンの「独立記念日」と呼んでいる。メインネットのベータ版は5月31日にローンチし、イーサリアムブロックチェーンからの移行が進められていた。投資家がERC-20標準のトークンを新しいネットワークに移行するため、メインネットへの移行期間は約4週間かかった。トロンファンデーションの創設者であるジャスティン・サン氏は、ツイッターで「独立記念日」を発表している。

(トロンの独立記念日のライブ配信が始まった。フリーの分散型のインターネットの一部として参加してくれ)

 ブログの記事によれば、トロンはプラットフォームを提供し、コミュニティやステークホルダーが最新情報を受け取るため、12時間のライブストリーミング配信のチャンネルを作成した。トロンは「12時間のライブストリーミング中に少額のTRXを配布し、トロンコミュニティのメンバーがトロンメインネットのさまざまな機能をテストできるようにする」としている。

 今回のメインネットの移行によって、トロンは分散型アプリケーション(DApp)開発をサポートするブロックチェーンプラットフォームとして、イーサリアムの競合相手となることを目指している。トロンの開発者らは、トロンのネットワークがイーサリアムのネットワークよりも「400倍速い」と主張しており、その真価が問われることになるだろう。

 ERC-20トークンはイーサリアムプラットフォーム上で設計され、使用されるものだ。これらのトークンは、共有したり、ほかのトークンと交換したり、ウォレットへ転送したりすることができる。ERC-20では新しいトークンの作成も非常に簡単にできるが、スマートコントラクトの決済のために使用された場合、トークンが意図せずに破棄される可能性が存在している。この問題を解決するため、イーサリアムコミュニティでは、ERC-223という新しい標準に取り組んでいる。