ブロックチェーンをベースとするデジタル資産取引ネットワークが、1秒間に6万件以上のトランザクションを処理でる「超高速」プロトコルをローンチした。

 #MetaHashによると、#TraceChainと呼ぶ自社のプロトコルでは、各トランザクションを承認するのに3秒以上かからないという。地理的に分散したネットワークのトライアル版が始まった。ウィンドウズ、Linux、Mac OS Xプラットフォームではフリーのブラウザが利用でき、iOSとアンドロイド用のモバイルベースのアプリもまもなくリリースされる。

 同社は、#TraceChainをシステムを構成する4つのコンポーネントのうちの1つであり、ほかのコンポーネントと合わせて「シンプルで相乗的な事業体」を生み出すものになると述べている。

 他のコンポーネントには、#MetaHashCoinというものが含まれる。これはプラットフォーム全体の支払い手段として機能するデジタル資産だ。こらは、システム内でビットコインやイーサリアムと交換することができる。

 一方、#MetaAppsは、「スタンドアローンの分散型アプリケーションを構築するための革新的なプラットフォーム」と呼んでいる。一般的に使用されているWebサービスやアプリケーションのようにみえるグラフィカル・ユーザーインターフェイスを備えている。ほかのプログラミング言語で作成されたプロジェクトを、#MetaAppsのソフトウェアに簡単に変換できるという。

 「YoutubeやFacebookなどのような複雑なアプリケーションでも、#MetaAppsを使って分散化することができる」と、MetaHashはホワイトペーパーで述べている。

 ユーザーがこれらの分散型アプリケーションにアクセスするためのブラウザやマルチ通貨ウォレットを、#MetaGateと呼んでいる。

 #MetaHashのチームはコインテレグラフに対して次のように述べている。「同等のネットワークとは対照的に、#MetaHashは比較的安価なハードウェアで大量のトランザクションを処理するよう専門的に設計されている。トランザクションあたりの手数料率は業界最低レベルになる」。

 トライアル期間では、2018年第2四半期を通じて全世界で200台以上のテンポラリサーバーが稼働する予定だ。トークンが配布されると、これらのサーバーはトークン所有者のノードに置き換えられる。全体として、同社のネットワークは毎日50億件を超えるトランザクションを処理できるようになるとしている。

高速トランザクション

 #MetaHashは、ブロックチェーンシステムをビットコイン、イーサリアム、EOSなどの主要なプレイヤーとの間で比較している。

 同社は、3秒未満でトランザクションを承認できるとし、1秒あたり6万から数百万のトランザクションを処理できる能力があるとしている。対照的に、ビットコインを通じたトランザクションの場合、承認するまでに10分かかり、毎秒12秒トランザクションしか処理できない。

 イーサリアムはより改善されたものを提供している。トランザクションの承認時間は5秒で、1秒あたり30トランザクションの処理能力を備えている。EOSはトランザクションが5秒以内に承認される。このシステムでは、1秒間に1000から数百万のトランザクションを処理できるが、分散化のレベルは最小限だという。#MetaHashはより分散化されているとしている。

「ブロックチェーンのフラッグシップ」

 #MetaHashは、自社の分散化ネットワークのスピードを「前例がないもの」であり、ほかの通常のブロックチェーンよりも低いトランザクションコストであると説明している。トランザクションが検証される前に、5つのコンセンサスがある。#MetaHashに保存されている情報は、破損または改ざんされることはほとんど不可能だとしている。

 「そうするには、#MetaHashのネットワークだけでなく、ビットコインやイーサリアムなどのネットワークも攻撃する必要がある」と、#MetaHashは述べている。

#MetaHashのイニシャル・コイン・オファリングのラウンドAは、2018年6月29日の12:00 UTCに始まり、9億2000万の#MetaHashCoin (#MHC)を割り当てることを目指している。これはトークン放出分の10%に相当する。関心のある者は、#MHCを1トークンあたり0.0391ドルで購入することができる(ETHとBTCについては購入時のレートが適用される)。

 同社によると、トークンの最初の買い手は、次のフェーズよりも少なくとも半分以下の価格で購入できるとしている。さらに初期のトークン生成には利点もあるとしており、2018年8月に予定されているという。

 #MetaHashによれば、マイニングの進化として、トークン生成は様々なプリンシプルに基づいており、スマートフォンベースのトークン生成に対しても高いアクセシビリティと有効性があり、低コスト、過熱及び環境負荷への対応など、仮想通貨愛好家から見てユニークな点があるとしている。またネットワークの検証とサポートに対して、アクティブなトークンによるリワードを含んでいるという。

 プロジェクトのロードマップによれば、これらの後には、サードパーティ開発者用のツール、広範なセキュリティテスト、およびほかの活動を含むネットワークコンポーネントのリリースが予定されており、2019年第1四半期には完全な分散型システムがローンチされるとしている。

 

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