DappRadarによるDApp業界レポートによると、NFTにとって2月は史上最高の月となった。2月には上位3つのプラットフォームでの取引高は3億4200万ドルに増加。1月の7100万ドルから約5倍に増えた形だ。

スポーツ系コレクティブズであるNBAトップショットがこのセクターを支配しており、現在NFTの総取引高の67%を占めている。トップ3のほかのNFT系DApp(分散型アプリ)は、クリプトコレクティブズ市場であるオープンシーと、イーサリアムベースのクリプトコレクティブズのクリプトパンクスだ。クリプトパンクスは、取引高が7900万ドルという史上最高額に達した。

DappRadarのレポートは、少なくとも部分的には自律システムによって作成されたアートであるジェネレーティブアートの人気が高まっていることにも言及している。

イーサリアムネットワークのガス料金が高騰したことで、2月にはいくつかのDeFiやNFTのプロジェクトがよりトランザクションコストが低いネットワークに移動する動きもみられた。バイナンスチェーンは最近、トランザクション量とアクティブなウォレット数の点でイーサリアムを上回った。レポートの中では、バイナンスパンクスといったバイナンスチェーン上でも模倣NTFプロジェクトの出現にも触れている。

高いガス料金にもかかわらず、CryptoSlamの統計によると、先月のベストセラーNFTプロダクト上位10種類のうち、7つが依然としてイーサリアムでホストされている。NBAトップショットはフローブロックチェーンを使用し、残りの2つはWAXでホストされている。

かつて人気を博したNFTプロダクトであるクリプトキティーズも急成長。前月比で売上高が1300%上昇となり、人気が復活している。CryptoSlamの売上高トップ10の中で新しくランクインしたのは、カプコンの『ストリートファイター』をテーマにしたNFTだ。2月16日のローンチ以来、売上高は126万ドルを記録し、第8位となっている。

NFTは2021年に入ってから大きな注目を集めており、コインマーケットキャップでは2月15日にNFT専門のページを追加している。

ただNFTの急成長をただ喜べばいいというわけでもないようだ。ライトコインの作成者であるチャーリー・リー氏は、NFTの人気急騰と2017年のICOブームとを比較し、両者には類似点があると指摘。「価値を維持できるものはほとんどない」だろうと警告している。