仮想通貨をホールドすべき?バリュー平均法による投資【専門家の寄稿】

専門家の寄稿では、仮想通貨業界内外のオピニオンリーダーがその見解を示すと共に、経験を共有し、専門的な助言を与える。ブロックチェーン技術やICOの資金調達、税金、規制、さまざまな経済分野での仮想通貨の採用事例まで、あらゆる話題を提供する。

本記事の見解や解釈は著者のものであり、コインテレグラフの立場を必ずしも反映するものではありません。また、投資のアドバイスをするものでもありません。全ての投資にはリスクが伴います。投資の判断をする際はご自身で調査をお願いいたします。

 

 過去6ヶ月間投資ポートフォリオにビットコインやアルトコインを保有していた人たちは、ビットコインの価格が2万ドルの壁を破りかけた2017年12月の高値から2月の安値まで様々な感情を経験した。この記事が書かれたのは、2月であり、市場が青信号を灯している今としては少し見当違いに見えるかもしれないが、我々はみな今後起こりうる大きな変動の可能性について知っている。

 留意すべき重要なことは、この記事は投資アドバイスではなく、投資の黄金律を常に覚えておくべきであるということだ。つまり、失っても良い金額以上を投資してはならない。

 仮想通貨の時価総額が長期的な上昇軌道を永遠に維持すると仮定し、仮想通貨が強いファンダメンタルを持っていると仮定すれば、無期限に「ホールド」して仮想通貨を絶対に売らないということは理にかなっているかもしれない。

 しかし、この冬に仮想通貨の投資家が学んだことが1つあるとすれば、利確することは時に理にかなった行動であるということである。利確した利益で価格の下落時に市場で買い戻すことができる可能性がある。もちろん、問題になるのはいつ利確するのか、そしていつ買い戻すのかを知ることだ。

 価格と取引量のチャートの分析を伴うテクニカル分析はここでうまくいくかもしれないが、知識と習得するための実践を必要とする。これに加えて、チャートはアナリストに応じて異なって解釈されうる。つまり、売りシグナルが別の誰かには買いシグナルとして解釈されうる。この解釈の余地でチャート分析に感情が入り込むかもしれない。つまり時に投資家はチャートの中に自分の見たいパターンを探すことになる。

バリュー平均法とは

 バリュー平均法(VA)は、投資家が株式市場で何年も使用してきた投資戦略の1つだ。短期的に非常に変動しやすい投資対象に対して上手く働く傾向にあるので、仮想通貨に適している可能性がある。VAの背後にある考え方は次の通りだ。

  1. 価格が安いときには、多くの仮想通貨を購入する。

  2. 高価なときには、少ない仮想通貨を購入する。

  3. 本当に高価なときには、いくらか仮想通貨を売却する。

 この結果、投資家はコインを購入する平均価格を引き下げ、売却する平均価格を引き上げるという結果が得られる。

VAケーススタディ

 100ドルのビットコインを持っており、その価値を毎月100ドルずつ増やしたいとする。次の月が始まる頃には、ビットコインの価格が半分になっていた。つまり、最初の100ドルの投資は50ドルとなっている。2ヵ月目に200ドルの価値に到達するには、150ドル相当のビットコインを購入してその差を補う必要がある。ビットコインの価格が非常に低いため、安売りを利用して、150ドルでビットコインを購入することになる。

 3ヶ月目が始まる頃に、ビットコインの価格が少し上がったとする。あなたの200ドルの投資は今220ドルの価値がある。3か月目に価値を300ドルにするには、別の80ドルを投資する必要がある。このシナリオでは、安売りがあった先月よりビットコインの購入数が少なくなる。

 4ヶ月目が始まる頃にはビットコインの価格は大幅に上昇した。300ドルの投資は現在500ドルだ。4か月間に400ドルの価値が必要なだけなので、利益を確保するためにビットコインを100ドル分売却する。来月に価格が下落することがあれば利益を確定することで投資が保護される。あなたはまだビットコインを保有しているので、代わりに価格が来月に上がるなら、あなたは利益を得るだろう。

VAの短所

 VAの明白な落とし穴は、投資対象の価格が毎月下がり続けることがありうるため、結果として投資家の毎月の投資額が大きくなることだ。1年が終わる頃には、投資家は当初意図していた以上に投資することになっているかもしれない。このリスクを相殺する1つの方法は、年間投資限度額を設定することだ。先ほどの例に戻ると、たとえば年間1200ドルに設定することができる。

 この場合、1200ドルはビットコインの価格に関係なく毎月100ドルを常に投資する、ドルコスト平均法(DCA)を使用して12ヶ月間投資したのと同じ金額になる。

 VAと同様、DCAは投資家が投資対象を買う価格を平均するが、VAとは異なり、DCAは投資家にいつ売却と利確するかを伝えない。例えば、昨年12月にビットコインが2万ドルに向けて上昇したとき、DCA投資家はビットコインをさらに購入し、VA投資家は利確することになっただろう。

 DCAや、一度に多くの金額を投資する方法でホールドするのと比較すると、VAでは仮想通貨の保有数が減ることになるだろう。これらの仮想通貨の価値が長年に渡って上昇するなら、あなたの仮想通貨ポートフォリオは、ホールドした方が価値が大きくなるかもしれない。

 しかし、明日何が起こるのかは誰にもわからない。価格が高い場合は仮想通貨をいくらか売却し、価格が低い場合は仮想通貨を多く購入することは転ばぬ先の杖になるだろう。このようにして、私たち皆が知っている仮想通貨の大きな価格変動から利益を上げる良い機会を得ることができる。

ジョナサン・ホブス:CFAでThe Crypto Portfolioの著者。モルガン・スタンレー、HSBC、M&G Investmentsでの勤務経験があり、Stopsaving.comの創業者。