UniswapやSushiSwapなどの分散型取引所、AaveやCompoundなどの貸付プロトコルといったトークンユーティリティの次元を広げたことで、分散型金融(DeFi)は2021年の仮想通貨エコシステムの中で爆発的な成長を遂げた。
メサーリのDeFiアセットインデックスのデータによると、過去30日間で上位10位のDeFiトークンの大部分が20%以上の上昇となっており、中でもTerra(LUNA)では116%の価格上昇となっている。

今後のDeFiトークンの強気トレンドの触媒となる要素として、ロックされた総価値の急回復、分散型取引所での取引高の増加、DeFiエコシステムの新規ユーザー獲得の3つがある。
ロックされた総価値は過去最高に接近
DeFi Llamaのデータによると、DeFiプラットフォームでロックされた総価値(TVL)は、過去最高の1550億ドルに近づいており、現在の数値は1405億ドルとなっている。

過去7日間でTVLを最も獲得したのは、トークン所有者がイーサリアムネットワークにステーキングすることを可能にするプロトコル「Lido(LDO)」(22%増)と、バイナンススマートチェーン基盤の貸付プロトコルである「Venus(XVS)」(36%増)だった。
TVLの増加は、トークン自体の価格上昇と、DeFiエコシステムのアクティビティ増加の両方を反映している。
DEXの取引高は増加
DeFiセクターが活発となっているもう1つの兆候は、Uniswapなどの分散型取引所(DEX)での取引高の増加だ。Dune Analyticsのデータによると、DEXの取引高は着実に増加している。

イーサリアムネットワークでトランザクションを実行するコストが増加したにもかかわらず、DEXの取引高増加は発生している。
直近の弱気相場の間、トレーダーはイーサリアムでDeFi関連の高い取引コストを支払うことに消極的だったが、トークン価格の上昇に伴い、ユーザーは手数料上昇でも立ち向かうようになっている。
新規DeFiユーザーも着実に増加
DeFiアクティビティが活発になっている3番目の兆候は、DeFiへの新規ユーザーの数が増えていることだ。
Dune Analyticsのデータによると、DeFiプロトコルと関連するユニークアドレスから算出した新規ユーザーの数は着実に増加し、現在では過去最高の318万1408ユーザーに達している。

新しいユーザーがDeFiエコシステムに参加し、伝統的な金融システムから仮想通貨経済に資金を移すにつれ、魅力的なプロトコルへの関心が高まり、トークン価格上昇につながる可能性がある。
またイーサリアムの価格上昇に伴う取引コスト増加は、ポリゴンのようなレイヤー2ソリューションやバイナンススマートチェーンやカルダノといった競合チェーンの拡大につながる可能性があるだろう。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン
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