仮想通貨データアグリゲーターのCoinGeckoが発表した新しいレポートによると、第3四半期に仮想通貨市場でいくつかの興味深いアノマリーが表面化した。デジタル資産業界は今年初めに激しい売りを目撃したが、その全体的な時価総額は第2四半期と比較して約1,000億ドル増加した。
過去には仮想通貨の弱気市場は株式のパフォーマンスから大きく切り離されていたが、コインとトークンは第3四半期に米国のS&P 500インデックスとほぼ正確に連動して取引された。S&P500と仮想通貨のパフォーマンスの相関係数は、当該期間に0.85となっていた。
さらに、ビットコイン価格は第3四半期に1%下落したが、実際には、米ドルに対する外国通貨バスケットの為替レートを測定する米ドル指数を除くすべての資産クラスをアウトパフォームした。経済が不安定な時期には、世界中の投資家が米ドルやスイスフランなどの安全資産に殺到するのが一般的だ。しかし、ほとんどが米ドルにペッグされているステーブルコインは、第3四半期に47億ドルも流通量が減少した。
急落の一因は、米財務省の外国資産局(OFAC)が仮想通貨ミキサーのトルネードキャッシュを制裁し、米国に拠点を置くステーブルコイン発行者やユーザーがトルネードキャッシュと接続することを犯罪行為としたことにあるようだ。
また、分散型金融(DeFi)アプリケーションの時価総額合計は、前四半期比31.3%増の245億ドルとなった。資産運用の分野を除き、すべての分野で回復している。
最後に、NFT(非代替性トークン)の総取引量は、第2四半期から第3四半期にかけて77.4%減少した。同時に、これまでNFTを所有していたウォレットの数は、第3四半期に100万個という驚異的な増加を記録した。