中央銀行デジタル通貨(CBDC)のホールセール利用をテストしたインド準備銀行(RBI)は、次はリテール向けのCBDCをテストする準備を進めている。試験運用は1カ月以内に開始される予定。
エコノミック・タイムズ・オブ・インディアによると、RBIはCBDCであるデジタル・ルピーのリテール試験運用準備の最終段階に入っている。参加銀行には、ステート・バンク・オブ・インディア、バンク・オブ・バロダ、ICICIバンク、ユニオンバンク・オブ・インディア、HDFCバンク、コタック・マヒンドラ・バンクなど。報道によると、このテストには今後、国内のすべての商業銀行が参加することになるという。
試験に参加する各銀行は、1万人から5万人のユーザーを対象にCBDCを試験的に導入する。匿名の情報筋によると、「eルピーはウォレットに保存され、ATMで現金を出金するのと同じように、顧客の要求に応じて額面が利用できるようになる。銀行は一部の都市でのみこれを開始している」という。
顧客も加盟店もCBDCの専用ウォレットをダウンロードする必要があるが、後にRBIは既存のデジタルバンキングサービスと完全に統合する予定だ。報道によれば、デジタル・ルピーは現行の決済システムを補完するものであり、その代わりとなるものではないとしている。
デジタル・ルピーのホールセール部門の試験運用は11月1日に開始した。主な用途は、政府証券の流通市場での取引決済。しかし、記事執筆時点では、ホールセール試験運用が成功裏に終了したという情報は得られていない。