先月末に中国の習近平国家主席がブロックチェーンをイノベーションの中核技術に据えると発言したことを受けて、ビットコインは一時40%ほど上昇した。一部では過剰反応という見方が出ているが、中国の仮想通貨ファンドである龍門キャピタルの日本代表サニー・ワン氏は「むしろ真の相場はこれから」とみている。コインテレグラフ日本版の取材に答えた。

(出典:Coin360「ビットコイン/米ドル(1ヶ月)11月7日午前11時50分時点)

「真の相場」はこれから

ビットコインは習主席の発言を受けて一時1万ドルを回復したものの、その後、9000ドル台前半での取引が続いている。

習近平ラリーは一服した感があるが、ワン氏にとっては今の相場は「逆に小さな波」に過ぎない。同氏は、「真の相場」がこれから来ると予想し、その理由を解説した。

「習主席が指示を出した後にまず各省庁が勉強します。そして各地方政府も勉強会を開きます。同時に各学校、民間企業も勉強します。勉強すればするほどビットコインの価値が理解され、ビットコインとブロックチェーンは切り離せないという関係も分かってくると思います。表ではブロックチェーン技術の推進を謳歌しますが、自分のためにおそらくビットコインを買うでしょう。

その上でワン氏は、先月末の40%高騰について「冷静に考えたら40%しかない」と指摘。「チャイナパワーはこのぐらいしか無いのか?嘘でしょう。絶対違うでしょう」とし、解説を続けた。

つまりその40%は既にマーケットの中の人間が買い増やした分だけです。取引所に元々キャッシュをチャージしてあるとか、もしくは手元にUSDT(テザー)を沢山持ってるとか、習氏の発言を見てすぐ買えた人々がこの最近の上昇を支えたわけです。今から勉強する人、勉強した後に取引所でアカウントを作る人はまだ何も買ってないです。

龍門キャピタルは、中国最大の投資ファンドINBlockchainから派生したファンド。2011年に設立し、ビットコインが1~10ドルだった時、13万BTCを購入した。中国トップクラスの取引所Yunbiの運営の他、100以上のプロジェクトに直接投資、2000以上のプロジェクトを支援した実績がある。

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