「やってみる価値はある」ーーー。

ニューヨークタイムズのコラムニスト、ケビン・ルース氏は、自身の記事をNFT(ノンファンジブル・トークン)としてオークションに出品する試みを明らかにした。そして、その1日後、記事には予想以上の価値がついたようだ。

ルース氏は「このコラムをブロックチェーンで購入しよう!」と題されたコラムを24日に掲載した。このコラムを26日にNFTとしてFoundationプラットフォームで出品したところ、55万ドル以上の価格が集まった。

オークションの最後の30分間では特に盛り上がり、5万ドル弱だった価格が最終的には56万2891ドルまで入札合戦が過熱した。この入札合戦はフェイスブックでリサーチサイエンティストを務めたJ・オーヤン氏とドバイの制作会社3F Musicが競い合い、最終的に3F Musicが落札した。

今回の販売収益はニューヨークタイムズの「The Neediest Cases Fund」に寄付される。このファンドは110年の歴史をもち、これまでに3億ドル以上を慈善団体などに寄付してきた。

今回ニューヨークタイムズの記事が高額で落札されたことで、ブロックチェーン技術のさらなる発展につながるかもしれない。ルース氏はツイッターで、ニューヨークタイムズや同社の弁護士などから大きな協力があったことを感謝しつつも、「大きな混乱を招いた」と今後の運営方針に影響を与えたとほのめかした。

コメントを求められたルース氏は「ワオ」とだけ答えた。彼はコラムの続きを執筆する予定を明らかにしたが、それを出品するかは応えていない。

今回の販売はルース氏自身にとってもメリットがあるだろう。ニューヨークタイムズの金融エディターであるランディ・ペネル氏は、高額な落札価格から、今後のルース氏の原稿料を引き上げる根拠になると話したからだ。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン