イランの電力会社タヴァニール(Tavanir)が、適切なライセンスなしで稼働していた1100の仮想通貨(暗号資産)マイニングファームを特定して閉鎖した。現地報道によると、内部告発者による通報によって、違法なマイニングファームを特定することができたという。
タヴァニールは、一部のマイニングファームでは、工場向けの「高レベルな」補助金付きの電力を使用していたという。タヴァニールによれば、電力消費に関しては大きな変化はみられるなかった。このため、現地当局は、違法なマイナーを見つけるためには内部告発者に頼らざるをえなかった理由であると述べている。タヴァニールは「消費パターンを調査するだけではすべての違法なフォームを検出することはできない」と述べている。
現地報道によれば、無許可の仮想通貨マイニングファームの検出につながる情報を提供した個人には、1億リヤル(約480ドル)を受け取ったという。
イランは最近は、補助金を受けた燃料を使用しないことを条件として、発電所をビットコインマイニングファームとして動作させることを許可すると発表した。
仮想通貨マイニングに関する国内法では、マイナーは自身の身元を開示し、詳細な情報を産業鉱山貿易省に提供する必要があると規定されている。この情報には、彼らのマイニングファームのサイズと、彼らが使用しているハードウェアの種類が含まれている。ハードウェアの密輸を防ぐためにこういった情報が収集されている。マイナーとしては個人や企業の両方で登録できる。
違法な仮想通貨マイナーは、使用するハードウェア1台あたり、2000~5000ドルの罰金が科される。補助金のある電源を使っていた場合はさらに2万ドルの罰金が科される可能性がある。
5月には、イランの産業鉱山貿易省は、仮想通貨マイニング企業であるiMinerに対して、国内で事業を行うライセンスを付与した。トルコに拠点を置くiMinerは、イランのセムナ-ン州にあるビットコイン(BTC)マイニングファームに約730万ドルの投資を行っており、このマイニングファームは約6000のマイニングリグがあり、毎秒96,000テラハッシュ(TH/s)のマイニング能力を持つ。
さらにiMinerはイランの首都テヘランにある現地オフィスなどを通じて、中東諸国向けに仮想通貨取引サービスやカストディサービスを提供しているという。
イランでは2019年7月、仮想通貨マイニングを商業行為として正式に承認した。それ以来、1000以上のライセンスを仮想通貨マイニング企業に発行している。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン